逗子斜面崩落訴訟、遺族とマンション管理会社元担当者が和解 謝罪へ

崩落したマンション敷地斜面=2020年2月7日、逗子市池子

 逗子市池子で2020年2月、マンション敷地斜面が崩落し、歩いていた県立高校3年の女子生徒=当時(18)=が死亡した事故を巡り、事故前日に斜面上部で亀裂を把握したのに適切な対応を怠ったなどとして、遺族がマンション管理会社「大京アステージ」側に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、遺族と同社元担当者の和解が東京高裁で成立したことが19日、関係者への取材で分かった。同日付。和解条項には元担当者が遺族に対し、事故について謝罪するなどの内容が盛り込まれた。遺族が起こした訴訟は終結する。  

 昨年12月の一審横浜地裁判決は、崩落の危険を認識できたのに安全措置を怠ったなどとして、同社と同社元担当者に連帯して計107万円を遺族に支払うよう命じたが、元担当者のみが判決を不服として控訴。同社の賠償は確定し、全額を同社が弁済したという。

 和解条項は▽元担当者が遺族に対し、事故について遺憾の意を表して謝罪する▽遺族は元担当者の刑事処分を求めない─などの内容。元担当者は県警が業務上過失致死容疑で書類送検し、横浜地検横須賀支部が不起訴とした。遺族は検察審査会に審査を申し立てる方針だったが、申し立てないこととする。

© 株式会社神奈川新聞社