総事業費145億円の岡山市のアリーナ構想 推進派の岡山商議所・松田会頭の考えるイメージは【岡山】

岡山市が単独で建設することを決めた新アリーナについて建設推進派のキーマン、岡山商工会議所の松田久会頭がOHKの単独インタビューに応じました。人口減少が進む地方で、どんな施設を目指しているのか、未来図を聞きました。

(岡山商工会議所 松田久会頭)
「県民・市民の皆さんが集ってスポーツを楽しむ、あるいはエンターテインメントを楽しむっていう場所が欲しいと思っていたと思うので、大変喜ばしいことと思っている。」

新アリーナは、北区野田の市営住宅跡地に岡山市が建設し、民間が運営する「公設民営」を想定しています。客席数は「5000席以上」とし、総事業費は約145億円、年間のランニングコストは約2億5000万円と試算しています。

長年、経済界は地元のプロスポーツチームの発展、地域活性化の起爆剤になり得るとして市に整備を提言してきました。松田会頭は、最新のデジタル機器を設置し、エンターテインメント性を重視したアリーナをイメージしています。

(岡山商工会議所 松田久会頭)
「遠隔地においてもオンラインを通じて楽しむ方法が今後、何年かすると常識化してくると思う。いろいろな最先端技術を集めてくればその場にいて楽しむ、あるいはその場にいるのと同じような楽しみ方を他の場所でもできる、そういうことができるようになってくると思う。」

一方、OHKが6月、新アリーナについてアプリでアンケートを行ったところ、岡山市民の45%が新アリーナに「期待しない」と答え、「期待する」を10ポイント上回りました。

それぞれの声をAIで分析すると、期待しない理由は、税金の無駄遣いや、箱物行政への批判などでした。一方、期待する理由は、地域の活性化、スポーツ観戦の機会が増えるなどでした。

(岡山商工会議所 松田久会頭)
「還元されない税金はただの使いっぱなしだが、税金を投資して将来のための金を作るということであれば何ら反対はないと思う。人口が減っていく中で、オンラインであっても収入がある、税金が還元されるそういう仕組みを作っていかなければならないと思う。」

最大1万人を収容できる香川県立アリーナなど今、全国各地でアリーナ、スタジアムの整備計画が相次いでいます。

(岡山商工会議所・松田久会頭)
「例えば生成AIを使ったり、いろいろな技術を使いながら、デジタル的に運営されている施設として岡山がメッカになるということになっていけば、注目度が上がってくる。今の若者たちが、岡山にこういうものがあるという愛着を持って、岡山を出た子供たちも何かの試合やコンサートがあった時に、あそこはすごいと思ってもらえるものにしていければいいと思っている。」

岡山市の新アリーナは7年後の2031年の完成予定。人口減少や少子高齢化が進む地方でアリーナを建設するのなら、その投資に見合う経済的、社会的価値を作り出せるかがポイントとなる。

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