叔父を“保険金殺人”無罪主張の被告に無期懲役求刑

福岡県うきは市で2021年、保険金目的で叔父を殺害したとして、殺人などの罪に問われている男の裁判員裁判で検察側は男に無期懲役を求刑しました。

起訴状などによりますと会社役員の松成英一郎被告(57)は、2021年4月、うきは市内で当時64歳の叔父を車で何度もひいて死亡させ、殺害し、保険金約1500万円をだまし取ったなどの罪に問われています。

これまでの裁判で松成被告は、「殺害していません」などと起訴内容を否認し無罪を主張していました。

19日、福岡地裁で行われた裁判で検察側は「事故を装って殺害した。保険代理店経営で得た知識を悪用して被害者に保険金をかけた」と指摘しました。

そのうえで「犯行後に罪証隠滅工作をするなど計画的で残忍で冷酷な犯行」として無期懲役を求刑しました。

一方、弁護側は、「人為的に轢過されたわけではなく、なんらかの理由で後退し、事故により死亡した可能性は否定できない」として「松成さんは無罪です」と改めて無罪を主張しました。

裁判長から「最後に言いたい事はあるか」と問われた松成被告は、およそ20分間にわたり、自らの主張を展開。

「暴走列車が冤罪に向かって走っています。冤罪列車に乗ってはいけません。公平で平等な判断をしてくれることを信じています。無罪になって被害者に成仏してもらわないかんです。みなさんの正義を信じています」などと考えを述べました。

判決は28日(金)に言い渡されます。

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