今の奥能登から人材育成 大学と能登の自治体が連携「能登の未来切り開く」

金沢大学が奥能登の自治体などと連携して取り組んでいる人材育成に向けたプログラムが今年度も開講しました。

元日の地震を経てさらに多くの課題が突き付けられている能登で、どのような取り組みが進められるのでしょうか。

珠洲市にある金沢大学能登学舎。

先週末、「能登里山里海SDGsマイスタープログラム」の今年度の入講式が行われました。

受講生代表・鎧塚典子さん

「能登半島地域の復興に少しでも貢献できることはないか。まずは地域の歴史や成り立ち、風土を現地で学び地域の人や自分自身と同じ志を持つ人たちとのつながりを持ちたいと思い、プログラムに参加することを決意しました」

今年度の受講生は全国各地から集まったさまざまな職業や経歴の人たち24人。

能登半島地震からの復興に携わりたいと、出願者は例年よりも多かったといいます。

このマイスタープログラムは世界農業遺産に認定されている「能登の里山里海」を生かし、地域の課題を解決する人材を育てる目的で2007年度から開始。

これまでの修了生は241人を数え、修了生同士によるネットワークも生まれています。

しかし、元日の地震で、特に奥能登は甚大な被害を受けました。

人口減少という従来からの課題に加え、地震からの復旧復興もこの地域の大きな課題です。

初回の講義で講師を務めたのは珠洲市の泉谷市長、

興能信用金庫の田代理事長、

それに、金沢大学の和田学長という面々。

珠洲の復興ビジョンや地域に密着した金融の仕事などについて受講生に説明しました。

珠洲市・泉谷満寿裕 市長

「全国からお越し頂いてありがたく思っています」

「ぜひ復旧復興に向けての力になっていただきたいし、皆さんの取り組みで能登の未来を切り開いていただきたい」

そしてこの日は、アサガオの花で地域を彩ろうという、アートを通じた復興への取り組みも始まりました。

アーティストで、東京藝術大学の学長でもある日比野克彦さんが主宰する「明後日朝顔プロジェクト」

「これ全部水戸(から来た苗)でいいんだよね。これ金沢から来たやつ」

受講生たちが地域の人たちとともに、全国から受け継がれてきた苗を植える作業などに汗を流しました。

京都から参加した受講生

「父親が輪島の出身で。京都から来たんですけど今回の地震で自分自身何かできることはないかと」

「僕たちが考えたことが行政の方とか関係機関の今後の活動のヒントになるようなことが考えられたらなと思って参加しました」

金沢から参加した受講生

「建築の仕事をしてますので」

「安心して生活できる住まいというところを見い出せられるヒントをまちづくりも含めて提案できればと思っています」

受講生は来年にかけて月2回の講義や実習に臨みながら能登の課題を考え、その解決に向けた取り組みを提言をする予定です。

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