「ここで産んでよかった」感謝をキャラクターと伝えるUSJの出張サプライズ!涙ぐむ助産師

コロナ禍に出産した女性が1年後、感謝の気持ちを届けるためにわが子を連れて産婦人科を訪れた。「ありがとう」を伝えるために同行したのはUSJの大人気キャラクターたちだ。思いもよらない感謝の形に病院スタッフも感激と喜びに包まれた。

数百件から選ばれた「ありがとう」

感謝の気持ちを伝えるために同行したのは大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの大人気キャラクター、セサミストリートのエルモとクッキーモンスターだ。

6月13日、長崎県大村市の大村中央産婦人科がイベントの舞台となった。USJは毎年この時期に、大切な人に感謝や愛を伝える企画を行っている。3回目の2024年は「伝えたい感謝」を一般に向けて初めて募集した。数百件の応募の中から選ばれたのはわずか2件。そのうちの1件が長崎出身者だった。

20時間の陣痛に寄り添ってくれてありがとう

病院スタッフへ感謝の気持ちを伝えたのは、兵庫県に住む糸井綾さんだ。糸井さんは2023年6月、大村市の大村中央産婦人科で里帰り出産をした。初めてのお産で不安だったにも関わらず、コロナ禍のため家族が立ち会えたのは生まれる直前。1人で陣痛に耐えることとなった。

糸井綾さん:コロナ禍で立ち会い出産に制限があり、一人でいる時間の方が長かった。その間に助産師さんが声をかけてくれたり、腰をさすってくれたり側にいてくれたので頑張ることができた。

陣痛20時間に及ぶ難産の末生まれたのが翔也くん。6月17日で1才になった。

夜の陣痛開始から昼の出産までつきっきりでそばにいてくれた助産師、そして看護師、先生。いつも優しく声をかけて掃除したり、栄養満点で見た目もかわいい食事を作ってくれたスタッフ。無事に息子が1才を迎えるにあたり、改めて感謝の気持ちを伝えたいと思っていた。その時にUSJの「出張Thanks Love Flower Shop」の募集を見つけたのだった。

USJは社会貢献活動して感謝の気持ちを伝え合うイベントを2年前にスタートさせた。2024年はキャラクターが出張して一緒に感謝を伝える「出張Thanks Love Flower Shop」の企画が加わり、「ありがとう」を伝えたい人を一般に募集したのだった。

「ありがとう」は一番のご褒美

USJは事前に病院へ「イベントを開かせてほしい」と打診し、準備を進めた。イベントの詳細やキャラクターが来ることは伝えておらずサプライズだ。いよいよイベントスタート。キャラクターが登場しみんなでダンス!糸井さんから「感謝の気持ちを伝えたいのは病院のスタッフです」とイベントの趣旨が明かされた。

病院スタッフは、「感謝の言葉を伝えらてもらったこと」「USJのキャラクターがやってきたこと」に2重の驚きと喜びだった。病院スタッフ、患者をはじめ近所の子供たちも集まり、30分ほどのイベントはみんなで踊って大盛り上がり。

たくさんの笑顔に囲まれて糸井さんが「息子が大きな病気もけがもなく、1才を迎えられるのは無事に取り上げていただいたおかげ。心に残る初めての出産を助産師の勘澤さんに担当してもらってよかった」と感謝の言葉を伝えると、出産に付きっきりで立ち会った助産師の勘澤さんは涙ぐみながら喜んだ。

大村中央産婦人科 助産師 勘澤晴美さん:私達は裏方なのでここでお産をした人がありがとうと言ってくれる言葉が私たちにとって一番のご褒美。お産は一期一会だと思う。貴重な出会いとお産がいいものにできていたなら、私もとてもうれしい。

糸井綾さん:不安の中でのお産も皆さんのおかげで乗り切ることができ、今は元気いっぱいの息子と幸せな毎日を送っている。1才になる息子の成長も見てもらうことができ、想いを形にすることができて本当によかった。

USJのとびきりの演出による糸井さんが病院スタッフに伝えた「ありがとう」で、会場は温かい気持ちに包まれた。

(テレビ長崎)

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