グーグルの生成AI検索「AI Overviews」 日本でも年内開始

by 臼田勤哉

Googleは19日、AIを中心に日本における同社の取り組みを紹介する「Google for Japan 2024」を開催。ハッシュタグで検索やGoogle 検索における降雨予測「Google ナウキャスト」を発表したほか、AIの活用やGoogle検索の今後の日本展開について説明した。

生成AIを検索に活用「AI Overviews」 日本で年内開始

AI Overviewsは、生成AIを活用し、検索キーワードについて、Webの検索結果をもとに、独自のまとめを自動で生成、ユーザーに提示する機能。検索後に、ウェブサイトに移動せずに検索結果だけで概要を把握できる点が特徴で、米国で5月末からスタートした。

ゼロから回答を生成するのではなく、Googleの検索結果から要約するため、AIによるハルシネーション(幻覚)が起きづらく、精度の高い「まとめ」を得られる点が特徴。ただし、米国でのサービス開始以降、誤った結果が表示される点も指摘された。

AI Overviewsが年内に日本でも利用可能に

Google 検索を統括する、Google シニア ヴァイス プレジデント ナレッジ&インフォメーションのプラバッカー・ラガバン氏は、「このAI Overviewsを2024年内に10億人に届ける。そこには日本も含まれる」と述べ、日本で年内にAI Overviewsを開始することを明らかにした。

AI Overviewsの利用者満足度は高く、多様な情報を得られると説明。新たな検索体験として推進していく。

Google 検索を統括するプラバッカー・ラガバン氏。30年前に日本に住んていたとのことで、流暢な日本語で挨拶した

また、ラガバン氏は、AIサービスの「Gemini」は約20億のGoogleサービスで利用可能となり、日本におけるGemini AdovancedやGemini Pro 1.5が支持されていると紹介。150万人以上の開発者がGemini APIを活用するなど、「Gemini時代(Gemini Era)」が訪れているとした。

カメラがエージェントになる「Project Astra」日本語でデモ

新たな展開としては、「Project Astra(アストラ)」を紹介。日本語環境でのデモも行なった。

生活を支える「ユニバーサルAIエージェント」としており、カメラに映るものを認識しながら、ユーザーとやり取りし、その内容を教えてくれるサービス。

例えば、Googleの東京オフィスでカメラをかざして、ここの場所はどこ? と尋ねると「はい。ここはGoogleのオフィスに見えます」と回答。どうして? と尋ねると「Androidの像が見えたからです」と回答。

Project Astra 「Googleのオフィスに見えます」

また、カメラをかざしながら「ここににあるものを覚えて」と呼びかけたあと、カブトムシの置物を隠して、「なにか変わりましたか?」と尋ねると「はい。カブトムシがいません」と回答する。画像を見ながら、ことわざを言ってもらうなど、カメラ(画像)、音声、テキストをシームレスに行き来できるエージェントとして開発を進めている。

カメラに写ったものから、「花より団子」「おいしい食べ物は人を幸せにします」などことわざを紹介

加えて、日本で開発したハッシュタグ検索や日本仕様の「Google ナウキャスト」なども開発。日本のユーザーと連携しながら、サービス強化していくと説明した。

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