被害急増「SNS型投資・ロマンス詐欺」見せ金にだまされた…現役世代を狙う巧妙な手口

後を絶たないSNSを使った詐欺。中でもここ最近、被害が目立つのが、「SNS型投資詐欺」と「SNS型ロマンス詐欺」。
恋愛感情や親近感を抱かせながら投資に誘導し、金銭をだまし取る手口です。
島根県内の被害額は今年に入り、約2億7000万円に上ります。
なぜここまで被害が拡大しているのでしょうか。

「詐欺にひっかかりやすいのは高齢者でしょ?」「まだ私たちには関係ないよね」こう思っている人こそ要注意です。
急増する新手口「SNS型投資・ロマンス詐欺」のターゲットは、働き盛りの「現役世代」です。
一体どういう詐欺なのか?
島根県内で実際にあった「SNS型投資詐欺」の手口を紹介します。

ネット上で著名人が投資のサポートをしてくれるという広告を見つけた、県東部在住の男性。著名人を名乗る人物と携帯電話のSNSで連絡を取り始めました。

県東部在住の男性:
「投資に興味があります。よろしくお願いいたします」

その後、アシスタントを名乗る人物を紹介され、誘導されたサイトに登録してSNSで連絡を取っていたところ

アシスタントを名乗る人物:
「金は上昇しても下落しても、私たちの戦略をいつでも調整して、投資リスクを最小限にすることができます」
「先生の指示にしたがって取引を実行してください」
「一度にもう少し多く送金することをお勧めします。そうすれば、利益もそれに応じて増えます」

金への投資話をもちかけられたことから、相手の話を信用。
1か月間で計5回、総額5320万円を振り込んだといいます。

この詐欺の恐ろしいところは…

島根県警生活安全企画課・大國智之さん:
「主に携帯電話のスマホの中で出会い、相手から誘われ、お金の振込も全てスマートフォンの中で終わってしまう傾向がある。従来の特殊詐欺に比べて、相談する相手がいない。特殊詐欺であれば、金融機関、コンビニ等の窓口で、行員やアルバイト店員に声かけすることが多いが、このSNS型投資詐欺は、自宅でもできてしまうという恐ろしさがある」

SNS型投資詐欺は、全てスマホの中で完結してしまうため、被害発覚も遅れてしまうことが多いといいます。
さらに危険なのが…。

島根県警生活安全企画課・大國智之さん:
「利益が出たとみせかける」

「見せ金」
最初は利益が出ているように見せて、信用させるといいます。

島根県警生活安全企画課・大國智之さん:
「このまま続ければ、もっと大きな利益が出ますよと。被害者は、一見投資していると錯覚してしまう。投資名目なので、1件1件の被害額が非常に多くなった」

もうひとつ、急増しているのが「SNS型ロマンス詐欺」。
県内で実際に起こった事例を紹介します。
県内在住の男性は、マッチングアプリで知り合った女とメッセージでやりとりをするうちに、好意を抱くようになり、付き合うことに。
その後、女から
「投資の収益で慈善活動をしています。投資を初めてみませんか?」
と、投資話をもちかけられたといいます。
女と交際していると思い込み、信用していたことから、指定された口座に10万円を送金。こちらも「見せ金」が振り込まれていたため、さらに3回、合わせて180万円を騙し取られたといいます。

島根県警生活安全企画課・大國智之さん:
「ある時、相手に結婚資金にしようと誘導され、結局、投資の方に誘導されてしまう手口」

これまでの詐欺の手口は、不特定多数の人をターゲットとしているのに対し、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺は、いずれも1人1人のターゲットと「長時間かけて信頼関係を築く」という特徴があります。

島根県警生活安全企画課・大國智之さん:
「被害者本人が気づくまでにかなりの時間を要する。本人はずっと投資していると勘違いして、その間数回、下手すれば10回以上、何十万、何百万ずつ振り込む。
気が付いたころには、犯人はそのお金を引き落として、行方がわからなくなっている」

巧妙化する詐欺の手口、注意点は。

島根県警生活安全企画課・大國智之さん:
「一般的に大きな利益を上げる儲け話は、危ないと思ってください。顔も見えない、電話もしない相手と、メッセージ上のやりとりで、投資とか振込を要求された時は非常に危険、詐欺を疑ってください。振込先が全然関係ない個人の名前であることが多い、個人名義の口座に振り込む時も詐欺の可能性が非常に大きい」

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