白昼の住宅街で“クマ居座り”から一夜 当時の状況が明らかに 強まる住民の警戒心 福井市

19日午前、福井市内の住宅街でクマが民家に入り、駆除されるまでの約5時間にわたって居座り、住宅街を騒然とさせました。クマの出没から一夜明けた現場付近を取材しました。

竹内慶行記者:
「きのうクマが出没した住宅街に来ています。一夜明け、住民は普段の生活を取り戻しましたが、警戒の意識が高まっています」

住民からは「怖い」「こんな街なかにクマが現れるとは」などと不安な声が聞かれました。19日、クマが居座った住宅があるのは、福井駅から南に2キロほど離れた住宅密集地です。近くには福井駅につながる県道が走り、会社の事務所や小中学校、こども園などもあります。

騒動から一夜明け、現場周辺は普段の静けさを取り戻していました。クマが居座った住宅周辺で後片付けをしていた福井市職員を取材すると、当時の詳しい状況が徐々に分かってきました。

市にクマの目撃情報が最初に寄せられたのは午前10時20分ごろ。「今から10分前に
木田町でクマを見かけた」との内容で、ほぼ同時に「住宅にクマが居座っている」との通報が入りました。

福井市有害鳥獣対策課によると、住民が「ガチャン」とガラスが割れる音を聞いていて、玄関脇のガラスを割って家に侵入したとみられます。その後、住民は一旦、家の奥に避難し、玄関とは違う場所から外に逃げ出し無事でした。

通報から約1時間後、警察や猟友会のメンバーが駆け付けて家の中を確認すると、クマは部屋の隅でじっとしていました。しかし窓付近で物音がすると、こちらに向かって動き回る様子もあったといいます。

そして約5時間後の午後3時過ぎ、現場付近に2度の銃声が響き渡りました。おりを使った捕獲や麻酔銃で眠らせることは困難と判断し、猟友会のメンバーが銃を発砲してクマを駆除したのです。このクマの体長は約1メートル10センチの若い雌とみられています。

突然、住宅街に現れたクマ、住民の警戒心は強まっています。住民らは「エサのなりそうなゴごみなどを外に置かないようにする」「しっかり戸締りする」と警戒していました。

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