“ストーカー殺人” 犯行時の詳しい状況が明らかに

ストーカー規制法でつきまといが禁じられた元交際相手の女性を殺害した罪などに問われた男。19日に開かれた3回目の公判で、犯行当時の詳しい状況が明らかになりました。

証人の女性「女性の『やめて』『いや』という声が聞こえました」

検察官「男性は何をしていた?」

証人の女性「何かを手に持って、何回も振り下ろしている動作をしていました」

起訴状などによりますと寺内進被告(32)は去年1月、JR博多駅前の路上で、つきまとい行為が禁じられていた元交際相手の川野美樹さん(当時38歳)を包丁で刺し、殺害した罪などに問われています。

19日福岡地裁で開かれた裁判員裁判の3回目の公判で、証言台に事件を目撃したという女性が立ちました。

現場には、痴話げんかをしている様にも見える男女がいたと言います。

証人の女性「通りすぎようとしたとき女性の『やめて』『いや』という声。男性の『ふざけんな』という声が聞こえました。周りからは『警察を呼べ』『やめんか』『とめろとめろ』という声がしました」

そのあと行われた被告人質問で、寺内被告本人の口から、当時の状況が語られます。

弁護側「刺した記憶はある?」寺内被告「あるすけど」

弁護側「記憶では何回刺した?」寺内被告「何回でしょう。10回くらいですかね」

弁護側「どのあたりをめがけて?」寺内被告「それは分かりません」

寺内被告は犯行直後、福岡市中洲の川沿いに向かったといいます。

弁護側「川沿いについてどうした」寺内被告「もう一本の包丁で死のうと思ったけど死ねなくて、川に投げ捨てて泣いてました」

寺内被告はその2日後、奇しくも川野さんの誕生日に中洲近くの路上を歩いていたところを警察に職務質問され、逮捕されました。

弁護側「職務質問されたときどう思った」寺内被告「たぶんほっとした。捕まって良かったなと…」

被告人質問の続きは21日に行われ、28日に判決が言い渡されます。

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