アウェイに強い超特急「8号車すごいと言われるのがうれしい」

2011年に結成され、メインダンサー&バックボーカルグループという独自のスタイルで注目を集める9人組グループ・超特急。エンタテインメント性の高さと熱すぎるパフォーマンスで、会場全体を「超特急ワールド」に染め上げる彼らのライブチケットは毎回秒速で完売。今最も「アツく面白い」グループと話題になっている。

来阪した超特急のタカシ(左)、アロハ 写真/Ayami

2024年4月には9人体制になり勢いが止まらない超特急が、改めて「超特急らしさ」を追求したというバラエティに富んだEP『Just like 超特急』が発売され、現在春ツアー『Rail is Beautiful』のまっただ中だ。大阪公演を前に来阪したバックボーカルの大阪出身7号車・タカシ、メインダンサーの13号車・アロハに、ツアーの手応えなどを聞いた。

■「二桁号車の4人に感化されて、良い相乗効果に」(タカシ)

──今、7公演終わって折り返しって感じですが(取材日は5月31日の大阪公演前日)、手応えはどうですか?

アロハ:うわ、もう折り返しか、早いな〜。でもライブを重ねるごとに、8号車の熱がどんどんどんどん上がってきてるというのは実感してます。あと、MCで「初乗車(初参戦)の人どれくらいいますか?」って聞くとすごく多くて、やっぱりうれしいですね。

──全国ホールツアーは2023年5月から開催された『B9 Unlimited』以来約1年ぶりだと思うのですが、そのときとグループの変化はありますか?

タカシ:違いで言うと、やっぱり二桁号車の気持ちの入れ方が、また違ったベクトルなんじゃないかなと思う部分があって。

「二桁号車に影響を受けている」と話すタカシ

──二桁号車は、2022年8月に加入したバックボーカルの11号車・シューヤさん、メインダンサーの12号車・マサヒロさん、13号車のアロハさん、14号車のハルさんの4人ですね(一桁は2号車のカイ、3号車のリョウガ、4号車のタクヤ、5号車のユーキ、7号車のタカシ)。

タカシ:そうです。1年前のツアーのときは4人にとって初めての長期間のホールツアーだったんで、それを経験したうえでの今回のツアーはいろいろ試せることもあるやろうし。一桁号車の僕たちも二桁にめちゃくちゃ感化されて影響されて、チャレンジしたいと思う部分もあって・・・っていう良い相乗効果が生まれてるからこそ、8号車(ファンネーム)もより熱を持ってライブを楽しんでくれてるんじゃないかなと、みんなの反応を見ると感じますね。

超特急(上段左からシューヤ、マサヒロ、ハル、タクヤ、アロハ、タカシ、下段左からカイ、ユーキ、リョウガ)

──さらに8号車のみなさんとの一体感も感じると。

タカシ:僕たちが元々求めていたもの、僕たちの強みというものが、より強化できてるような気がしてますね。

──アロハさんは1年ぶりのホールツアーで、具体的にこういうチャレンジをしてみようなどはあったんですか?

アロハ:『B9』のときは1回のライブで何十曲もやることだったり、1週間に何回も公演があるとかは初めてだったので、体力面に関してそのときに知って。それで今回のツアーに向けて、体の作り方だったり、テンション感、雰囲気の作り方をだんだん自分に入れていったという感じですね。

「ライブを重ねるごとに、8号車の熱が上がっていくのを感じる」と話すアロハ

■「毎公演を特別に、という気持ちはどこのグループにも負けない」(タカシ)

──雰囲気の作り方ということですが、今回のツアー『Rail is Beautiful』はどういったライブになってるんでしょうか?

タカシ:今回「美」に特化したツアーという名目で。メンバーのユーキが演出のプロデュースをやってくれてるんですけど、結構前々から超特急をより「美しく」見せられるような、そういうライブツアーをやりたいなという話はしてて。「美」といってもいろんな美しいものがあるよねというところから始まって、いろんな曲を交えて最初から最後までストーリーを紡いでいく。僕らならではの表現の仕方で、「超特急なりのビューティフル」というのを体感できるようなツアーになっています。

──超特急ってメインダンサー、バックボーカルとして、歌も踊りも本当に表現力をすごい大事にしているというか、強みだと思うんですけど、それが存分に生かされてるという感じでしょうか。

タカシ:表現力が強みって自分たちで言うと変な感じになっちゃうかもしんないですけど、 超特急はライブ感とか生ものというのを大事にしていて。だからこそ、 ライブでしか見られない表情とか、パフォーマンスや歌はめちゃくちゃ意識してる。「毎公演、特別なものにしよう」っていう気持ちは、どこのグループにも負けない熱量で持っているなと思っています。

大阪での取材にリラックスした表情のタカシ(左)、アロハ

──なるほど。今7公演ぐらい終わりましたが、セットリストはほぼ同じかもしれないけど、全然違う表現をしてるという感じなんですか。

アロハ:毎回毎回違いますね、たとえばセリフの前の表情とか。あと、僕は変な音ハメの仕方がすごく好きで、そこを遊んでオリジナリティを入れてみたりしています。

──超特急の曲って、アドリブというか、自由な表現をするところが多かったりするんですか?

タカシ:結構多いよね。パフォーマンスだけではなくて、ダンスとは違う体の表現の仕方をするとか、歌でも突然セリフっぽく歌ってみるとかもあるし。超特急ってある種いろいろ試せるから、毎回毎回面白いです。

■「『8号車』すげえな、と言われるのがうれしい」(アロハ)

──パフォーマンスの面白さで言うと、2024年はLmaga.jpで『LIVE SDD 2024』(3月9日・大阪城ホール)や『関西コレクション2024 S/S』(3月20日・京セラドーム大阪)のライブレポを書かせていただいたんですが、毎回、ああいったイベントのような場所で超特急って1番強いなって思うんですよね。

アロハ:本当ですか。でも僕はもう個人的に『関西コレクション』は人生初ドームというのもあって、それでまずテンションが上がりましたし、やっぱり出るからには来てくださったお客さんに「一番よかったね」って言われるようなパフォーマンスをしたいと思っていたので、ボルテージがガン上がりでした。

→【記事】超特急、LIVE SDDで勢い良すぎるトップバッター飾る
→【記事】超特急が「関コレ」に登場、8号車のペンライトが京セラ彩る

──『LIVE SDD』ではトップバッターとして盛り上げて、『関西コレクション』はメンバー全員の気迫がスゴかった印象です。これまでも超特急は何度か関コレに出ていて、「面白くてかっこいい」というイメージを持っていた人が多かったかもしれないですが、1曲目『Countdown』から始まったのを見て、「今年、ちょっと気合いがちゃうな」と。

アロハ:そうですね。ユーキくんがセトリを決めてくれたんですけど、「勝負しに行くぞ」って。『Countdown』からの『MORA MORA』で、完全に勝負しに行きましたね。

──ほかの出演者も多くていろんなファンがいるなかで、会場にいる全員を引き込む力みたいなのがすさまじいなというのと、それに加えて8号車の勢いを感じました。メンバーカラーのペンライトがすごくキレイで。

アロハ:うん、本当にありがたいです。

タカシ:僕たちの気合の入り方を感じてくださったと思うんですけど、何が一番そうさせてるって、結局8号車なんですよ。正直フェスとかイベントって8号車もアウェイなわけじゃないですか。なのに、すごくみんなマナーが良いし、ちゃんとほかのアーティストさんのライブも楽しむし。

──そうですね。

タカシ:それで自分たちの番になったら、僕たちを思う存分応援してくれて。いや応援というよりも、一緒にライブしてくれているような光景があるから。だから僕たちも感化されてより燃えるんです。

「8号車に力をもらっている」と笑顔で語る2人

──確かにほかのファンから見たら一体感というか、すごいですもんね。

タカシ:イベントとかフェスでまず何が話題になるって、パフォーマンスももちろんですけど、

タカシ&アロハ:(2人声を揃えて)8号車!

アロハ:そう、8号車すげえなって(笑)。それがめっちゃうれしいんですよ。

──ファンも一緒に「ドーム目指すぞ」という気持ちで。

アロハ:やっぱりドームという場所がそうさせたのかなという風に思いますね。生半端な気持ちでは立てないから。

タカシ:9人体制になって、「ドームで単独ライブをする」という目標がよりリアルに感じられるようになったからこそ、1つ1つのライブに力が入るというか。

──でもイベントとかフェスって3〜5曲とかしかできないイメージですけど、その数曲でもバラエティ豊かな楽曲で超特急の異なる魅力を出せるのが強いなと思います。4月にリリースされたEP『Just like 超特急』の7曲でも、『Countdown』『Steal a Kiss』のようなバチバチなダンスチューンから、『ジュブナイラー』のような昔からの超特急らしさ溢れる楽しい曲まで揃ってますもんね。

タカシ:確かに『Just like 超特急』、そのまんまセトリにしても成り立つような気がする(笑)。

アロハ:全然違うからね。

■「YADE SUN ROOMが大好き!」(アロハ)

──イベントやフェスはもちろん、ドラマなどメディアで超特急が気になった人には、この1枚が本当に名刺代わりになりますね。で、音源を聴くだけじゃなくてやっぱりパフォーマンスを観るべきやからYouTubeなどでMVやライブ映像を観て、YouTuberとしての公式チャンネル『超チューバー』で素を知って・・・ってハマってしまうと沼が深いですね。

アロハ:確かに(笑)。そんななかで僕のオススメは『YADE SUN ROOM』っていうタカシくんのYouTubeなんですけど、僕、本っ当に好きで! 楽屋の裏側とかコアなところを結構出してくれるんですけど、そういうのって8号車のみなさんもうれしいじゃないですか。僕も気になるんですよ。編集の仕方もめちゃくちゃ面白いし、見やすいから。もう新しい動画がアップされた瞬間に観てます(笑)。オススメです本当に。

──『YADE SUN ROOM』、私服抜き打ちチェックとか、ゆる〜く見れるのもいいですよね。本当に観るものありすぎて大変ですね。

タカシ:観るものはあればあるほどいいですよね。『YADE SUN ROOM』もそんなにしょっちゅうアップできてるわけではないけど、なんかね、少しでも超特急を知ってもらえるきっかけになったら良いなというので始めたので。

──リョーガさんとユーキさんもゲーム実況とかしてますよね。

タカシ:リョーガの『ガリゲーch』は事実上の凍結状態ですけど(笑)。たしかにメンバーいろいろしていますね。

──じゃあ、今後アロハさんも何か始める予定とか・・・?

アロハ:車が好きなので、そういう趣味のやつを・・・。

タカシ:めっちゃ趣味多いからね。「アロハガレージ」作れるんちゃう? それこそ企画とかもめっちゃ向いてると思うし。

アロハ:決まりました、「アロハガレージ」で(笑)。

大阪の街並みにテンションがあがっていた2人

■「いろんな人に超特急を見てもらえる努力をしたい」(タカシ)

──メンバーのみなさんのドラマ出演も続々決まっていますし、個々の活躍も増えて、超特急、さらに進化していくこと間違いなしですね。

アロハ:この先、今までお世話になった人や8号車、全員で一緒に上がっていきたいっていう思いはやっぱり一番あって。誰1人も置いてかない。 みんなで一緒にドームの景色が見たいです。

タカシ:そうやね。何事も全力で取り組むという今までのスタンスは変えないし、むしろその気持ちはより加速させる必要性があるし、あとはやっぱり自分たちの個々のパフォーマンスや歌を磨いて、それをいろんな方に見てもらえるような努力をできるといいなと思ってます。たとえばメディアだったり、こういう場所でいろいろお話させていただいたり、1つ1つのものがより一層、自分たちは大切になってくると思うから。

アロハ:うんうん。

タカシ:ドームを目標にはしてますけど、それはあくまでも目標であって、ドーム公演が成功してもその先、それよりももっと大きなものがあるしっていう、目指してるものより大きくしていく作業を延々と続けていきたいなって思っています。

エモーショナルなダンスチューンから王道J−POP、ド派手な盛り上がり曲までバラエティに富んだ7曲を収録したEP『Just like 超特急』は現在販売中。

取材・文/Lmaga.jp編集部 写真/Ayami

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