週末にも梅雨入りか…能登の被災地で貴重な家財や生活必需品を取り出す活動が急ピッチ ボランティアが苦心

被災地では梅雨を前に、貴重な家財や生活に必要な品を取り出すボランティア活動が急ピッチで進められています。

輪島市町野町にある老舗和菓子店、吉野屋。

元日の地震で店舗や倉庫が全壊し、工房には和菓子作りに使っていた大切な機械が取り残されたままとなっていました。

大型の機械を運び出すために集まったのは、重機の扱いに慣れた解体業の経験者などが参加するボランティア団体のメンバーです。

この日は焼き菓子の生地を流す機械や洗浄機を運び出しました。

こちらの和菓子店が機械の取り出しをボランティアに依頼するのは今回で3回目。

雨に濡れると精密機械は壊れてしまうため、過去2回は天候に恵まれず取り出せなかったといいます。

災害NGO結の中野智恵梨さんは「雨に濡れたらいけないたんすや輪島塗なども梅雨の前に出し切りたい。使えないものよりこれから未来に向けて生活していくと思う生活を想像できるもの大事にしていたもの生きていく希望になるものを出したい」と話していました。

一方、依頼者にとってはこんな課題も…。

吉野屋の吉野博司社長は「まだいろいろと出したい物があるけど置く場所がないので工夫して考えながら前に進んでいきたい」と話していました。

知り合いに納屋を借りて取り出した機械を一時的に保管していますが、スペースが限られているため工房内から全て取り出すことはできないといいます。

震災からまもなく半年。

建物の公費解体が進む中、大切な家財をどう守っていくのかということも重要な課題です。

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