『青春18×2 君へと続く道』で人気急上昇中! シュー・グァンハン「台湾は人情に溢れています」

許光漢(シュー・グァンハン)

台湾出身の俳優シュー・グァンハンさん。ドラマ『時をかける愛』でブレイクし、幅広い役柄で存在感を発揮。ハイブランドのアンバサダーにも抜擢されるなどアジアエンタメ好きの間ではすでに話題のスターだったが、5月に公開された清原果耶さんとのダブル主演映画『青春18×2 君へと続く道』で、日本での知名度が一気に加速。初恋のときめきや切なさに揺れる青年ジミーを好演し、一躍注目の人に。そんな人気急上昇中の彼が生まれ育った台湾とは? その魅力を聞いてみると…。

「この映画でも語られていることですが、“人情”だと思います。台湾で何か困ったことがあったら、勇気を出して地元の人に話しかけてみてください。きっとみんな喜んで助けてくれると思いますよ。場合によってはどこかに遊びに連れていってくれたり、おいしいものを食べさせてくれたりすることもあるかもしれません。それほど台湾は、人情に溢れているんです」

確かに、劇中で清原さん演じるバックパッカーのアミは、台南で財布を失くし、日本に帰れなくなってしまうが、地元のカラオケ店で住み込みのアルバイトをさせてもらうなど、ジミーをはじめ台南の人たちが何かと温かく手助けをしてくれる。これは“映画だから”というわけではなく、台湾を旅したことがある人なら、アミの経験をリアルに感じられるはず。

「僕も、台湾を旅していて地元の人から親切にしてもらったことがあります。山間部や人里離れた郊外で、そこに住むおじさんやおばさんが、どこにおいしいお店があるとか、ここの特産品はこれだとか、いろんなことを教えてくれるんです。どうしてこれほど台湾の人たちは、人情に厚いのかというと…。もしかしたら温暖な気候が関係しているのかも? 寒い場所だとそもそも出歩く人が、台湾ほど多くないでしょうからね(笑)」

一見クールな雰囲気のシューさんだが、話している様子はいたってフランク。台湾の穏やかな空気感をそのまま纏っているような印象だ。そんなシューさんから、今後、台湾を旅したいと思っている人へ、おすすめの場所があるという。

「ぜひ行ってもらいたいのが、台南です。『青春18×2 君へと続く道』のロケ地でもありますが、僕は仕事で台南に何度も長期滞在をしたことがあって、そのたびに人がとても親切で、ごはんがおいしいと実感します。それに何より、台南独自の文化は台湾の人だけでなく、外国からの旅行者にもおもしろく感じられるはず。旅をしていて、すごく楽しい場所です」

台南は、台湾のかつての首都。数百年前に建てられた建造物が数多く残るなど、古都の面影を今に伝える台湾屈指の観光名所でもある。また、様々なローカルフードが楽しめる、美食の街としても知られている。

「僕が好きなのは、牛肉入りスープの『牛肉湯(ニュウロウタン)』。その場で作ってくれるお店が多くて、出来たてが最高なんです」

というコメントとともに「めっちゃおいしいです!」と日本語で強調。今作にはジミーが日本語を話すシーンがあり、その練習のために覚えた日本語をインタビューでも時折交えてくるところがチャーミング。

「あとは、甘味のある混ぜご飯にエビがのった『蝦仁飯(シャーレンファン)』ですかね。スイーツなら『白糖※(米へん+果)(ベーダングィ)』がおすすめです。もち米をのばして作った生地にゴマ粉などを塗って食べるのですが、日本のお餅に似ています」

白糖※(米へん+果)は『時をかける愛』に登場し、注目されたスイーツでもある。最後に、シューさんイチオシの台湾カルチャーについて尋ねてみると、日本でも人気の台湾のバンド「落日飛車(Sunset Rollercoaster)」の名前を挙げるとともに、彼らとの親交についても教えてくれた。

「落日飛車は、国際的に活躍するバンドであり、仲のいい友人でもあります。ライブにはよく行っていて、昨年は日本のサマーソニックに出演したので、それも観に行きましたよ。とてもいい音楽なので、ぜひ聴いてみてもらいたいですね」

Hsu KuangHan シュー・グァンハン 1990年10月31日生まれ、台湾出身。俳優として活躍中。’19年、ドラマ『時をかける愛』でブレイク。ほかに出演作は映画『ひとつの太陽』(’19)、『僕と幽霊が家族になった件』(’23)など。’23年、宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』で、青サギ役の吹き替えを務める。

プルオーバー¥50,600 パンツ¥48,400(共にイレニサ/ドウシ TEL:03・6427・6954) ブレスレット¥13,200(リトルビッグ TEL:03・6327・4378)

『青春18×2 君へと続く道』 監督・脚本は、映画『余命10年』でメガホンをとった藤井道人さん。物語は36歳のジミー(シュー・グァンハン)が、18歳の時に恋をした日本人女性アミ(清原果耶)と過ごした日々に思いを巡らせることから動き出す。台湾と日本を舞台とした切なくも美しいラブストーリーは、公開直後から評判となり、アジアで観客動員250万人を突破。現在全国公開中。©2024「青春 18×2」Film Partners 配給:ハピネットファントム・スタジオ

※『anan』2024年6月19日号より。写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・藤長祥平 ヘア・Edmund Lin(Zoomhairstyling) メイク・Kao Hsiu Wen(prettycool) 取材、文・保手濱奈美 協力・沢井メグ 撮影協力・AWABEES BACKGROUNDS FACTORY

(by anan編集部)

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