『解散』迫る野党 否定する岸田首相 でも「岸田さんは何をやるか分かんない」と側近中の側近がもらす どうなる解散総選挙

岸田首相と野党党首による党首討論が19日午後に行われ、19日に成立した改正政治資金規正法について厳しい追及が続いた。

立憲民主党 泉健太代表:結局、自民党は表金でやれない裏の金を作って、それを使って選挙や政治活動をやろうとしている政党だ。

岸田文雄首相:政治資金は民主主義を支える大変重要な要素であります。それについて真剣に、現実的に考える。こういった責任ある姿勢が大事ではないか。

■3年ぶりの党首討論「国民に真意を問おう」と迫る野党

19日午後3時から3年ぶりに行われた党首討論。野党が次々に追及したのが、19日に参議院本会議で与党の賛成多数により可決・成立した改正政治資金規正法について。

可決されたのは自民党が提出した法案で、政治資金パーティー事件の再発を防止するために、自身の政治団体の収支報告書を確認する義務を負わせるなど、国会議員の責任強化が盛り込まれた。

また、政治資金パーティーについては公明党の主張を入れて、パーティー券購入者の公開基準額を「5万円超」に引き下げ、政策活動費については日本維新の会の主張を入れ、領収書などを「10年後に公開」することとした。

そのことについて立憲民主党の泉代表は…
立憲民主党 泉健太代表:何万円の公開とかちいちゃな話になっている。なかなか表に出せないお金だと思っているから、10年後の公開という話になっている。国民は全く納得しませんよ。政策活動費はどの党も『全面公開か廃止だ』と言って自民党に迫った。でも自民党はそこを死守した。

岸田文雄首相:政策活動費についても、透明性を高め信頼を得るために、二重三重に仕掛けを作って、制度を作った。これは重要な結論であり、党としてもその結論を守ってまいります。

立憲民主党 泉健太代表:全然答えてないし、これ自民党だけですよ、そんなことで抵抗しているのは。あなたたちが抵抗勢力ですよ。本当にけしからんですよ。

さらに、泉代表は岸田首相に衆議院の解散を迫った。

立憲民主党 泉健太代表:政治資金規正法の改正が、総理にとっての結果だというならば落第点です。解散をして国民にこの政治資金規制法の改正案がいいのか悪いのか、ぜひ総理、国民に真意を問おうじゃないですか。

岸田文雄首相:この法案で終わったということは考えていない。さまざまな課題に取り組んでいき、結果を出していく。これに専念していかないとならない。それが今の私の立場であり、それ以外のことは考えていない。

解散については否定した岸田首相。

■「文通費も本気でやる気あるなら会期延長したらいい」と追及も

また、国会議員に月100万円支給されている「旧文通費」をめぐる自民党の対応に反発し、一転して反対に回った日本維新の会の馬場代表は、国会の会期延長を求めた。

日本維新の会 馬場伸幸代表:文通費も本気でやる気あるなら、会期延長したらいいんじゃないですか。自分たちの都合いい時に、重要法案や補正予算がある時には会期延長してでもやるじゃないですか。なぜやらないんですか。

岸田文雄首相:一刻も早く成立させたいという思いは全く偽りありません。会期延長、あるいは開会中審査は国会で決めることではありますが、議論を進めることに合意をいただきたいと思います。

立憲民主党は党首討論を受けて、20日にも内閣不信任案を提出する考えで、6月23日の会期末に向け与野党の攻防が続く。

■「解散」岸田首相は否定したが…

岸田首相は解散について否定した。ジャーナリストの鈴木哲夫さんによると、「麻生副総裁が岸田総理に対して解散はするな、代わりに総裁選支援するよ」という話があったという。実はこの2人は18日にも会食している。

ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:この2人の関係がどうなのかというと、18日に食事しているけど、じゃあ本当に2人が握手して仲良くやりましょうとなったかというと、僕はやっぱり2人の距離感は微妙にあると思います。溝がある。麻生さんは、今解散をしてほしくない。茂木さんもそうなんですね。今解散したら自民党は大敗しますよ。いかに岸田さんに解散をさせないようにするか。そのために例えば『次の総裁選はちゃんと支持してやるから』とかいろいろ言っているわけです。岸田さんの心情は今どうなっているか、19日も解散には触れませんでした。これは麻生さんに気をつかったというより、岸田さん自身がいろんなことを考えていると聞いています。

■岸田首相の側近中の側近は「ただ岸田さんは何をやるか分かんない」という

ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:岸田さんの側近中の側近、対等な話をできるというある議員がいて、その人によると岸田さんは今解散というのは状況としては厳しいのかなと。人事をやるというもあったけど、今やったらわざとらしい人事になっちゃう。じゃあ次の総裁選でもう一回勝負をするんじゃないか。岸田さんはそんな感じなんですって。だけど側近中の側近が最後に付け加えたのは、『ただ岸田さんは何をやるか分かんないからな』と。解散の可能性はわずかですど、岸田さんの中にまだ残っているのか。

ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:総裁選を戦うというのは、厳しいですよ。『岸田さんの顔じゃ今後選挙やれない』という声が圧倒的に出てきているでしょう。だから総裁選で勝つのは厳しいとなると解散をする。自公で何とか過半数を取る。タイミングとして、まず一つのポイントは、この週末、国会の会期末に内閣不信任案が出されます。それを受けて立とうといって、解散ということがありうる。やるやらないは別にして、そこに一つの山がある。

ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:もう一つは国会を閉じて、低い支持率をいろんなことをしながらなんとか上げて、少しでも自公で過半数取れるような状況にして、解散を7月~8月ぐらいに打つ可能性があるんじゃないか。これが2つ目の山です。

ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:じゃあどうやって支持率を上げるかですが、まず一つは所得税減税とかでお金がかえってくるのがある。もう一つ、確度は分かりませんが、『この夏に日朝首脳会談』を画策しているという人が結構います。いろんな人に話をしながら、尻をたたいているんじゃないかという話があります。8月に外交日程というのがあって、どうも北朝鮮問題に絡んでくるような外交日程が入るんじゃないかという話も実は出てきているんです。でもやったから支持率が上がるかどうか分かりません。だって北朝鮮問題って、行って話したら支持率上がるって話じゃなく、何をやるか。だけどこういうことを重ねながら解散の可能性もどこかに持っているんじゃないか。岸田さん自身は非常に状況は厳しいですけれども、解散が100パーセントないとはいえないというのが、側近中の側近の見方なんです。

果たして岸田首相の真意はどこにあるのだろうか。

(関西テレビ「newsランナー」2024年6月19日放送)

© FNNプライムオンライン