兵庫芸術文化センター管弦楽団は芸術監督の佐渡裕とともに、阪神・淡路大震災の節目となる年の1月に、鎮魂や祈りをテーマとしたメモリアル的な作品(2010年:ヴェルディ「レクイエム」、2015年:マーラー「復活」、2020年:フォーレ「レクイエム」)を演奏してきた。
それは、このオーケストラを擁する兵庫県立芸術文化センターが、阪神・淡路大震災の復興のシンボルとして2005年に開館され、オーケストラも開館とともに創立されたからだ。ともに音楽や芸術を通して社会や市民と歩んできている。そして来年、ともに20年を迎える。そして、このオーケストラについてもう少し紹介するとすれば。世界各地のオーディションで選ばれた若手演奏家で構成。常にフレッシュかつインターナショナル。アカデミーの要素も持ち、楽団員は在籍期間内に様々な公演での演奏を通じ、オーケストラ奏者としての経験を積んでいく。未来に向かって存在するオーケストラだ。
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今回の演奏会は、この交響曲を生んだマーラー自身がこの交響曲について「この交響曲は、偉大な歓喜と栄光を讃えているものです」と述べているように、これまで震災復興に尽くしてきた様々な人々に向けた演奏会にしたいという、佐渡裕芸術監督の力強く、あたたかい想いが込められている。
「千人の交響曲」は、初演時の演奏者が約千人だったことから名づけられている。100名を超えるオーケストラに8名の独唱歌手、そして、混声合唱に児童合唱と、その壮大な規模から演奏されることは稀だ。それは、楽団、指揮者、歌手にとって挑戦的であり、相当の覚悟のいる演奏会になるからだ。
震災30年。兵庫芸術文化センター管弦楽団と兵庫県立芸術文化センターが20年。大切な時に記憶に残る演奏になるだろう。1月の演奏会では、千人には及ばないものの、300~400名の大合唱団によるコーラスを予定しており、合唱メンバーの募集が始まっている。
公演概要:公演日:2025年1月17日(金)17:46、18日(土)、19日'日)15:00/会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール/曲目:マーラー:交響曲 第8番「千人の交響曲」/出演:指揮・芸術監督:佐渡 裕/独唱 / 並河寿美(ソプラノⅠ)、小林沙羅(ソプラノⅡ)、小川里美(ソプラノⅢ)、清水華澄(アルトⅠ)、林美智子(アルトⅡ)、小原啓楼(テノール)、キュウ・ウォン・ハン(バリトン)、妻屋 秀和(バス)/ 管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
合唱について:合唱指揮:矢澤定明/合唱指導:小玉晃、有元正人/募集パート:混声四部(ソプラノ、アルト、テノール、バス) / 練習日程:9月中旬より開始、10~15回程度/練習会場:兵庫県立芸術文化センター内 /オーディション:日時:2024年7月18日(木)・20日(土) 18時~、7月27日(土)・28日(日) 10時~21時 / 会場:兵庫県立芸術文化センター内 / 応募締切:2024年6月30日(日) 17時
※詳細は公式WEB参照
問合:兵庫芸術文化センター管弦楽団:TEL 0798-68-0203(10時~17時/月曜休 ※祝日の場合翌日)