【都知事選で初の直接対決】小池氏「世界で一番に」蓮舫氏「更にその先を」石丸氏「政治屋一掃」田母神氏「ノウハウある」 神宮外苑再開発でも舌戦

東京都知事選の告示を20日に控えた19日、東京都知事の小池百合子氏(71)と参議院議員の蓮舫氏(56)が初の“直接対決”。広島県安芸高田前市長の石丸伸二氏(41)と元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)を交えた4人で激論を戦わせた。

“初の直接対決”前に対照的な表情も

東京都知事選の告示を20日に控えた19日、蓮舫氏はカメラの前で普段は見せない表情を見せた。

蓮舫氏:
頑張ろうと思ったんですけど…(周囲から拍手)
なかなか皆さんの前では強がれないなと思いました。

参院議員として国会に来るのが最後となる蓮舫氏が別れの涙を見せた一方、午前3時ごろ、現都知事の小池百合子氏は、印鑑を押す指先に力を込めていた。

連合東京からの支持を正式に受け、政策協定を締結した際、最後にこのようなひと幕もあった。

小池氏:
頑張ってまいります。よろしくお願い申し上げます。
(周囲から「握手を…」の声があって)
あっ!ハハハハ…。

涙と笑顔、それぞれの表情を見せた2人が、夕方に日本記者クラブ主催の共同記者会見でついに“直接対決”。

石丸伸二氏と田母神俊雄氏を交えた4人で激論を戦わせた。

小池氏:
(訴えたいのは)首都防衛に力を入れました。生活を守ってまいります。
国際競争が激化する中で経済を守り、かつ、成長させないといけない。世界で一番の都市、東京にしてまいります。

守るという言葉を多用しながら、蓮舫氏を意識してか“世界で一番を目指す”とした小池氏。

一方の蓮舫氏は、小池氏の実績をある程度評価しつつも、さらにその先を目指すと訴えた。

蓮舫氏:
若者の手取りを徹底して増やす。
小池都知事が進めてくれたデジタル化を更にその先へ。果実が出たら若者に現役世代にシニアに振り分けていきたい。

その後、立候補予定者同士による質疑応答タイムに突入する。

最初に指名された小池氏は、誰にどんな論戦を挑むのか注目されたが、「皆さんのお声も伺いたいので質問は特にございません」と敢えて誰との論戦も挑まなかった。

対する蓮舫氏は小池氏にもっと直接討論の場に加わるよう、促した。

蓮舫氏:
小池都知事側から多忙を理由に(討論会の企画を)を断られてしまっている。
知事の耳に届いていなければ残念だなと思う。ぜひ闊達(かったつ)な議論をさせていただきたい。

直接対決を求めるライバルの呼びかけに対し、小池氏は特定の候補との討論は難しいとの考えを示した。

石丸氏「国政の代理戦争やめて」 田母神氏「行政改善のノウハウある」

日本記者クラブ側からは、小池氏を支持する自民党についての質問も飛んだ。

蓮舫氏:
自民党さんが独自の候補者をこの都知事選に出さないということに私はすごい失望してるんです。堂々と戦いたかった。表なのか裏なのか、水面下なのか応援する方がおられるというのであれば私は今の自民党に負けたくない。

一方の小池氏は、都政を進めていく上で、政権与党との連携は必要と訴える。

小池氏:
規制の関係、税の関係、これはですね、やはり政権与党の方にしっかりと要望を入れていくということで、その連携はございます。

そんな中央政治の構図を都政に持ち込むな、とかみついたのは石丸氏だ。

石丸氏:
国政の代理戦争などと、ばかげたまねはぜひやめてもらいたい。
都民にとって自治体において迷惑千万な話。

また田母神氏はこう主張した。

田母神氏:
公約の善し悪しよりは、この人は実現能力あるのか、その実行能力も十分判断していただきたい。(私は)行政をどう改善していくかのノウハウはわきまえている。

会見に出席した4氏を含め、都知事選には、合わせて50人以上が立候補を表明している。

神宮外苑の再開発は都知事選の争点に?

“世界で一番の都市を目指す”とした小池氏に対し、蓮舫氏には会見でこんな質問もあった。

ーー東京は一番じゃないとダメなんですか?
蓮舫氏:
抽象的すぎて答えに窮するんですけど、(目指すのは)多様性のある都市です。

19日の共同会見では、個別の政策についても議論が交わされた。

蓮舫氏:
神宮外苑の再開発はいったん立ち止まる。そのことを私はこの都知事選の争点にしています。

神宮外苑の再開発について“争点化”を主張する蓮舫氏に対して、小池氏は次のように一刀両断した。

小池氏:
あの今、これが争点になるとおっしゃいましたけれどもなりません。
なぜなら、今立ち止まってるからです。別に都がこの事業を担っているわけではない。

そして、少子化対策や子育て支援政策についても記者から質問が及んだ。

小池氏:
(これまでの子育て支援政策は)間違いとは思いません。また、全国の出生率の低下は、東京都一つの自治体の低下よりも上回っております。

一方、蓮舫氏は、現在もいろいろな支援策があるとしながら、それが実を結んでいないと主張する。

蓮舫氏:
いろんなメニューがあるけれども、実はどうして少子化が進んでるかというと、非婚化が進んでるからだと思うんです。だったら今から10年かけてでも、今の子どもたちが社会に巣立つときに不安と負担のない東京都をつくることが長い目で見た少子化対策だと私は思っています。
(「イット!」 6月19日放送より)

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