重大事故につながる「漫然運転」に注意…前を見ているつもりで集中してない! JAFが教える意外な対策

集中力や注意力が欠けた状態で車を運転する「漫然運転」について考えます。「漫然運転」は重大事故につながってしまう恐れもあります。どう気を付ければいいのでしょうか。

漫然運転の実態

これは東京都がYouTubeに公開している動画です。
道路を1台の車が走っています。進行方向の信号は赤。
しかし、認識できていないのかスピードを緩めていません。
もう一度見てみると…停止線も超えているのが確認できます。
ドライバーは、前を向いているように見えますが、
信号は目に入っていないのでしょうか。

集中力や注意力が低い状態で運転する「漫然運転」。
的確な判断や操作ができなくなり、事故の原因にもなります。

JAF静岡支部事業課・菊地一啓さん:
前を見ているようで見ていない。意識に、頭に覚えていないというところがありますので、人や車とぶつかったときは重大な事故になりやすい。体が疲れていたり、仕事やプライベートで悩み事があったり、予定に遅れてしまうということが原因で起こることが多い

警察庁によると、2023年に起きた車の安全運転義務違反による死亡事故1358件のうち 約3割の403件が漫然運転が原因で、最も多い原因になっています。
どう防げばいいのでしょうか。

運転中に目に見えるものを声に

JAF静岡支部事業課・菊地一啓さん:
目で見えたものを声に出して話すことで、頭の中に意識を植え付けさせるという意味合いで、コメンタリードライブというものを推奨しています。
実演してもらいました。

JAF静岡支部事業課・菊地一啓さん:
横断歩道注意、横断歩道良し、右車両注意、左折、右良し、左後方良し、横断者なし

目で見えるものを声に出すことで、注意力の低下を防ぎ、危険に対する警戒心を高めることができるといいます。

集中力低下の状態で運転しない

警察も、集中力や注意力が低下した状態では運転しないよう呼びかけています。

清水警察署・増田明香 地域交通管:
例えば時間と精神的にゆとりを持った状態で運転すること、単調な道路での長時間運転は適度な休息をとること。疲労が蓄積していたり、睡眠が不十分な場合はもう運転しないという措置を取って安全運転に心掛けていただければと思います

漫然運転は、信号の見落としやスピード違反、ブレーキ操作の遅れなど重大事故につながる可能性もあります。
油断や過信をすることなく、十分に注意を払って運転をする必要があります。

睡眠不足・スマホ・運転への過信に注意

警察庁がまとめた漫然運転による死亡事故件数の件数です。漫然運転は「注意力や集中力が低下した状態で車を運転すること」としています。2023年に安全運転義務違反による死亡事故は1358件で、このうち漫然運転によるものは403件と最も多くなっています。

漫然運転は別名を「内在的前方不注意」といい、前を見ているつもりでも集中できていないため、信号や歩行者に気づけずに事故を起こしてしまうことがあるのです。

その原因は睡眠不足や疲労の蓄積、運転中に考え事をしてしまう、スマホに気を取られる、単調な道路での長時間運転、同乗者との会話に盛り上がってしまう、運転への過信などが指摘されています。

清水警察署・増田地域交通官は漫然運転を防ぐためには、精神的にゆとりを持った状態で運転、単調な道路での運転は適度な休憩をとること、疲労が蓄積していたり睡眠が不十分な時は運転しない、「大丈夫だろう」ではなく「なにか起こるかもしれない」という意識をもつことが大切とアドバイスしています。

またJAF静岡支部・菊地さんは、運転席から見える状況をコメントで描写する「コメンタリードライブ」を推奨しています。

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