60代母の“サレ妻ブログ”を発見… 熟年離婚を決断させた「父親のあやまち」【後編】

母親のブログを発見

「母がひとり暮らしを始めて半年ほど経ったころ、妹からある情報を告げられました。“母のブログを見つけた”と言うのです。なんでも、母の部屋でパソコンを操作していた際、ブックマークに入っているのを見つけたのだとか。
“とりあえず見て欲しい”と言うので、どんなことが書いてあるのか不安をおぼえつつ、覗いてみることにしました」

ブログの内容は…

「ブログは、父の不倫が発覚してほどなくしてから始めたようでした。感情を吐き出す場が欲しかったんでしょう。当時の状況が冷静な文体で綴られていました。ところどころ怒りを滲ませる部分もあり、臨場感が伝わって、不謹慎ながらかなり読み応えがありました。
相手の女性と電話で話し、ひとまず不倫に決着がついたあとも、ブログは続いていました。不倫後の夫婦関係は、やはりギクシャクしていたようです。心から信頼がおけなくなってしまったと書いてありました。父からもっと、普段から感謝の言葉が欲しかったようです。コミュニケーションもうまく取れず、気の重い日々が続いているようでした。
さらにブログには、その後に起きた事件についても書かれていました」

離婚決断に至ったある事件

「その日父は、“友人の葬儀に行ってくる”と出かけていったそう。父が戻って来て、母が喪服を片付けていると、ポケットに折りたたまれた紙が入っていました。それは、葬儀に参列した際にもらう会葬礼状。
そこに書かれている亡くなった人物の名前が、あの不倫相手の女性だったようなのです。女性が亡くなったことをどこからか知った父が、母には内緒で葬儀に参列していたんですね。母はそれを知って激怒。この出来事をキッカケに、離婚を決断したようでした」

父親にも読むようにすすめると…

「私は、父にブログを読むように促しました。関係回復への糸口が見つかるかもしれないと思いましたが、父は頑なに拒否。私は自分の夫にも見るようにすすめました。夫はちゃんと見てくれて、“読んでいて胸が苦しくなった”と言いました。“俺たちもちゃんとコミュニケーションをとっていこう”と、自分の日ごろの行動を反省しているようでもありました。
こうして、むしろ私たち夫婦のほうが絆が深まりました。しかし、両親は未だ別居中。父が頑固なだけに、関係改善の目途は立っていない状況です」

“両親の熟年離婚により家族が危機に陥った女性の告白”をご紹介しました。
熟年の夫婦が離婚を決意するほどですから、その意志はとても固いはずです。ちょっとやそっとでは気持ちは揺るがないでしょう。この状況に至る前に、対応しなくてはなりません。家族間のコミュニケーションが鍵となりそうですね。

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