サーモカメラ搭載のドローンでクマの生息調査 仙北市角館町で実証実験 秋田

クマの目撃情報が相次ぎ、秋田県仙北市の公園は立ち入りが制限されている。市は19日朝、周辺でサーモカメラを取り付けた小型無人機ドローンを飛ばし、園内に動物がいるかどうか確認した。

仙北市角館町の古城山公園は、近くに武家屋敷通りがあり、季節を問わず多くの観光客が訪れるエリアにある。

19日朝、仙北市が地元の建設会社の協力を得て、動物の姿を捉えられるサーモカメラ付きのドローンを公園の上空で飛行させた。

公園の近くでは2023年7月、散歩をしていた男性が体長約1.5メートルのクマに襲われけがをした。

2024年は周辺で目撃情報が相次いでいて、5月12日には園内に設置したカメラにクマ1頭の姿が映っていた。それ以降、公園への立ち入りが制限されている。

今回飛行させたドローンは、最高高度100メートルまで上昇し、半径200メートルの範囲を確認することができる。動物を捉えた場合はサーモカメラが反応し、赤く映し出される。

19日の調査では、園内で動物の姿は確認されなかった。

一方、公園近くにある角館高校でドローンを飛ばしたところ、外ノ山地区の方向にキツネや鳥の姿を捉えた。クマよりも小さい動物がカメラに映ったことから、今後ドローンをクマの生息調査に活用できる見通しだ。

仙北市・田口俊彦危機管理監:
「仙北市としても、画像に動物が映ったので、今後は人身被害と農作物の被害対策に生かせると手応えを感じた」

今回の調査では、手応えを感じた一方、解決しなければならない課題が浮かび上がった。

サーモカメラは熱を帯びたものが赤く映し出されるため、気温が高い日は、動物だけを識別することが難しくなる。木や草が生い茂っていると地上を確認することが難しく、クマの動きを捉えられないことが分かった。

ただし、クマの目撃情報が寄せられた場合、ドローンの活用で現場を確認する関係者の安全につながることは間違いない。

瀧神巧業・高橋周平さん:
「ドローンがあれば危険な場所へ行かなくてもいいという点で、活用ができると感じた。私たちも仙北市、警察、消防と協力して、クマ被害を防止していきたい」

なお、公園近くには箱わなが設置されていて、6月9日にクマ1頭が捕獲された。その後、周辺でクマの目撃情報はないが、市は箱わなの設置を継続している。

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