政策活動費「死守」の岸田自民「国民に信問え」

 立憲民主党の泉健太代表は19日行われた岸田文雄総理との党首討論で自民党派閥による「裏金問題」に「わたしも自民党とずっと闘ってきたが、相手チーム(自民党)がルール違反をしていたなんて、考えたくもない。情けない。何ということをやってくれたのか」と国民を裏切るルール違反に強い怒りをぶつけた。

 泉氏は「裏金問題、85人もの人間(自民党議員)が、しかも、これ現職だけでの(人数の)話なので、裏金は20年近くやっていたというのだから。それだけのことをやってきて。そのための政治改革なのに『企業団体献金もやめない』『政治資金パーティーもほぼそのまま』それでは国民は納得しない」と訴えた。

 また政策活動費について「今回も10年後の公開なんてことになっている。これって、国民の皆さんはまったく納得していない」と強く批難した。そのうえで泉氏は「そういうもの(政治資金規正法改正案)を、今回、(国会で)通したというのは、本当に残念だ」と数の力で通ったことに悔しさをにじませた。

 また泉氏は「政策活動費はどの党も全面公開か、廃止を自民党に対し迫ってきた。次期総選挙でも各候補者や現職議員に政策活動費を執行するのか」と質した。

 岸田総理は「今回の問題を引き起こした我々、自民党として、反省のうえで党改革を進め、刑事責任も問われ、そのうえで、今回の政治改革に取組んだ。まずは再発防止策について、政治家の責任の強化、外部監査の強化、デジタル等においての透明化の推進とあわせて、ご指摘の政策活動費をはじめとする政治資金全体についても議論し、各党の意見も聞きながら法案をまとめた。政策活動費についても透明性を高め、信頼を得るために2重3重に仕掛けを作った」などと今回成立した『ざる法』が再発防止になる旨をアピールした。

岸田総理は政策活動費は「政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で作った制度だ

と強調し、廃止や全面公開という透明性確保には今以上踏み込まない姿勢をうかがわせた。

泉氏は「廃止や全面公開に抵抗しているのは自民党だけだ。あなたたちが抵抗勢力だ」と強く指摘し、今回の岸田内閣・自民党の政治改革、政治資金規制法改正で良いのか、「国民に信を問うべき」と衆院解散・総選挙で国民の審判を仰ぐよう強く求めた。(編集担当:森高龍二)

岸田総理は政策活動費は「政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で作った制度だ」と強調し、廃止や全面公開という透明性確保には今以上踏み込まない姿勢をうかがわせた

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