鹿児島県知事選告示を翌日に控えた19日、立候補予定の3人の陣営は、鹿児島市内の事務所で最後の準備に追われた。7人が立った前回と打って変わり、新人2人が現職に挑む構図。雨中での第一声を見据え、各陣営とも選挙戦のスタートに気を引き締めた。
新人の米丸麻希子さん(49)の事務所には、そろいのポロシャツを着た女性スタッフが慌ただしく出入りした。組織の支援を受けない草の根型を目指す。初めて選挙に関わる人が多く、経験者に教わりながら、街宣車に看板を取りつけたり、出陣式の流れを念入りに確認したりしていた。
午後には法定ビラ2万5000部が運び込まれ、本番モードに。内田圭選対本部長(41)は「認知度が課題。体力が尽きるまで県内各地を巡り、政策を訴えたい」と選挙戦を見据えた。
新人の樋之口里花さん(52)の事務所では、告示後に郵送する「選挙はがき」の宛名貼り作業が行われた。第一声は屋根のない屋外の予定。雨天の予報を受け、演説の際に使う大きめの傘を準備するなど、雨対策にも追われた。
選挙期間中の街頭演説や街宣活動の日程がほぼ固まり、杣谷健太事務局長(39)は「立候補表明が5月だったので、知名度はまだまだ足りない。それでも各地から話を聞きたいという声が届いている」と手応えを口にした。
現職の塩田康一さん(58)の事務所でも、スタッフが告示前日の消印まで発送できる郵便物に宛名シールを貼る作業に追われていた。出陣式の段取りや動線を確認し、推薦をもらった企業や団体にお礼の電話を入れ、支持層の引き締めを図った。
梅雨の選挙戦を見込み、出陣式は屋根付きの施設を会場に選んだ。広報担当の野元若家さん(46)は「備えておいてよかった。スタッフの結束も高まっている。力を合わせて選挙戦を乗り切りたい」と話した。