【今日の読み切り】「あの部屋の幽霊さんへ」その幽霊は成仏できたのか? ――少女小夜子とある幽霊の物語

by 緑里孝行(クラフル)

【あの部屋の幽霊さんへ】

著者:三崎しずか

集英社

もう100年以上とも思える長き時間、同じ部屋に居続ける幽霊。時代は変わっていくけれど、自身は全く変わらない。できることは何故か“ここにいることだけ”。ある日、自身を見ることができる少女に出会う。

本作「あの部屋の幽霊さんへ」は、三崎しずか氏による短編作品で、「少年ジャンプ+」にて2023年2月より配信されている。

幽霊が見られるという少女、小夜子は、親からも信じてもらえず、嘘をつかないようにと叱られる。塩や聖水をかけられるなど、様々な除霊方法を試す小夜子だったが幽霊は成仏できず、その姿は見えているまま。小夜子は、成長とともに、ずっとそこのいるだけで話もできない幽霊を疎ましく思うようになる。

狭い集落の中では、互いの様子が、筒抜けになっており、常にだれかに自分の行動を見られているように感じるという話はよく耳にする。小夜子も、そんな狭い町が嫌で、大学入学をきっかけに上京を決める。

除霊の方法の1つに“その例の願いを叶える”というものがある。幽霊が長い年月の間に忘れてしまった願いは、小夜子の最後の手紙でようやく果たされる。幽霊が出てはいるがホラーではなく、少し不思議なストーリーを楽しんで欲しい。

【あらすじ】

長き時間、同じ部屋に居続ける幽霊は、自身を見ることができる、ある少女に出会う。少女は様々な除霊方法を試し始めるのだが……!?

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