欧州委、仏伊など7カ国の財政規律違反を指摘 是正期限は11月に

Jan Strupczewski

[ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会は19日、フランスとイタリアなど加盟7カ国がEUの財政規律を超える財政赤字を抱えており、違反手続きの対象とする必要があるとの見解を示した。

財政規律違反が指摘されたのは他にベルギー、ハンガリー、マルタ、ポーランド、スロバキア。欧州委は是正期限を11月に設定するとしている。

EUは新型コロナウイルス感染拡大を受け、2020年から財政規律の適用を一時停止していた。

フランスでは下院選(6月30日と7月7日投票)で誕生する政府による追加支出計画を制限する可能性がある。その場合、世論調査でリードするマリーヌ・ルペン氏の極右政党・国民連合(RN)が公共支出の拡大や年金支給年齢の引き下げといった公約を実現するのは難しくなりそうだ。

フランスは23年に対GDP(国内総生産)比5.5%の財政赤字を計上。今年は5.3%に低下すると予測されているが、それでもEUの上限である3%を大きく上回る。

市場はまた、対GDP比約138%という高水準の債務を抱えるほか、1%未満という低成長に見舞われるイタリアを注視。同国のジョルジェッティ経済財務相は「われわれが置かれている状況を考えると、予算政策の計画と管理において責任あるアプローチを維持することが必要だと認識している」と述べた。

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