【インド】ムサシ、電動二輪向け駆動ユニットを量産開始[車両]

量産開始式で記念撮影に応じるムサシ・デルタ・イーアクスル・インディアの瀬戸川健二・最高経営責任者(前列中央)=5日、インド南部ベンガルール(武蔵精密提供)

ホンダ系の四輪・二輪車部品メーカー、武蔵精密工業のインド子会社が今月、電動二輪車向け駆動ユニットの量産を始めた。2024/25年度(24年4月~25年3月)の年産は1万個を予定。当面は地場電動二輪車メーカーのBNCやイーモビに納入する。

武蔵精密によると、インド子会社は5日、南部ベンガルール(バンガロール)の工場で量産開始式を開いた。駆動ユニットはモーターや減速機で構成し、後輪側面に取り付ける「サイドモーター」方式。電動車に必要な小型・軽量・静粛性を備えている。

武蔵精密は5月、電子機器メーカーの台湾・台達電子工業(デルタ)、豊田通商と合弁会社を設立した。合弁社名は「ムサシ・デルタ・イーアクスル・インディア」で、インド子会社ムサシオートパーツ・インディアが51%、デルタが34%、豊通が15%出資する。

合弁は、武蔵精密とデルタが共同開発した電動二輪車向け駆動ユニットを製造販売。年産は30/31年度までに100万個に引き上げる。武蔵精密は減速機製造、デルタはモーター製造、豊通は調達・販売網に強みがあり、3社それぞれが得意分野を生かす。

インドは中国に並び二輪車の世界最大級の市場で、インド自動車工業会(SIAM)によると23/24年度の国内販売台数(出荷ベース)は1,797万4,365台だった。政府は30年までに二輪車の新車販売台数の8割を電動車にする目標を掲げるものの、足元は4%程度。伸びしろは大きい。

インドでは、四輪車に先行して二輪車の電動化が加速し、電動二輪車の現地生産ニーズが増えている。武蔵精密は駆動ユニット供給を通じ、インドを含む世界のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現に貢献する。

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