仏女優アヌーク・エーメが死去、享年92歳

フランス出身の女優アヌーク・エーメが死去した。92歳だった。1960年代にクロード・ルルーシュ監督の『男と女』やフェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活』『8 1/2』など数々の映画に出演し、運命的なロマンスの象徴として知られるアヌークは、18日(火)、パリの自宅で帰らぬ人となった。死因は明らかにされていない。

アヌークの訃報を受けて、多くの著名人から追悼が寄せられており、その中でルルーシュ監督はXにこう綴っている。「彼女はジャン=ルイ(トランティニャン)、ピエール(バルー)、フランシス(レイ)、みんなのもとへ旅立った」「彼女は私の旅の道連れであり、永遠の友人でした。他の人たちがノーと言った時、若い映画監督の私に彼女はイエスと言ってくれた」「彼女のおかげで、そして彼女のためだけに、私は光を守ってきた。彼女のシルエットと優美さは、ノルマンディーの浜辺に永遠に刻まれるだろう」「地球全体に夢を与え、今度は天使に夢を与えるのだろう」

パリで生まれたアヌークは、演劇とダンスを学んだ後、14歳で映画界でのキャリアを開始し、フランスの名作に次々と出演したほか、スペイン、イタリア、ドイツ、アメリカ、イギリスの映画にも出演、1947年から2019年に引退するまでのキャリアの中で、70作品に出演した。

「映画史上最もセクシーな女優の一人」と評されたアヌークは、『男と女』でゴールデングローブ賞主演女優賞と英国アカデミー賞最優秀外国女優賞を受賞、またマルコ・ベロッキオ監督の1980年の映画『ア・リープ・イン・ザ・ダーク』でカンヌ国際映画祭最優秀女優賞を受賞、2002年にはセザール賞の名誉賞を受賞した。

© BANG Media International