崇徳 若き力で快進撃だ 主将・石丸は2年生 広島新庄&広商撃破!今春の勢いそのまま夏頂点へ

 ミーティングを行う崇徳ナイン(撮影・高橋涼太朗)

 崇徳は全員野球で1976年以来の夏頂点を狙う。チームをまとめるのは2年生ながら主将を務める石丸琉心内野手。周りが認める人間性で先頭に立つ。今春はエース・脇本晃寿投手(2年)を中心とした手堅い野球で中国大会に進出。成長著しい若いチームが“ALL崇徳”の言葉を胸に、快進撃を誓った。

 ノックの1球に対しても、選手全員で声を出し集中力を切らさない。試合さながらの緊張感で練習は進んでいった。藤本誠監督(44)は「下級生が中心のまだまだ発展途上のチームです」と現状を分析する。

 チームを引っ張るのは2年生ながら主将を務める石丸だ。今春の広島大会後に主将に就任。藤本監督は「人物的にもプレーヤーとしてもすごく良い人材です」と信頼を寄せる。

 最初は戸惑いもあった。「3年生がいる中で、僕でいいのだろうかというのはあった」と石丸。それでも指揮官が「グラウンドに立てば学年は関係ない」というように3年生も石丸をサポート。「とてもやりやすい環境をつくってくださってます」と感謝する。

 昨秋の広島大会は初戦の福山戦で2-9の八回コールド負けを喫した。新基準の飛ばないバットに移行したこともあり、フィジカル面の重要さを再確認。そこからチームで体作りに注力し、毎日体重の計測を行うようになった。

 冬の間に成長を遂げたのがエース・脇本だ。体重は63キロから74キロまで増加し、スタミナアップに成功。抜群の制球力にも磨きがかかった。今春の広島大会では広島新庄、広島商の難敵に対し、連続完投勝利。「球が走るようになったので、試合後半も安定するようになった」と手応えを口にする。

 「3年生と1日でも長く野球ができるように全力を出すだけです」と石丸。“ALL崇徳”の合言葉を胸に、広島の頂点を狙う。

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