日向坂46の『TIF2024』出演が意味することとは? 初の三期生単独公演に裏付けられるグループの成長

8月2日~4日に開催される世界最大のアイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL 2024 supported by にしたんクリニック』(以下、『TIF』)の出演者が続々と発表されている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オンラインでの開催となった2020年、有観客とオンラインのハイブリッドとして新たな試みを示した2021年、3年ぶりの夏開催となった2022年、観客による歓声とジャンプが解禁され、コロナ禍以前の盛り上がりを取り戻しつつある2023年を経て、今年は昨年よりもさらに多くの来場者が予想され、ポストコロナ時代の新たなアイドルフェスの形が提示されることになるはずだ。

今年のラインナップを見てみると、久しぶりの出演となるアイドルや『TIF』初出演となるグループが目立っている。チームしゃちほこ時代に出演した2018年以来、6年ぶりの出演となるTEAM SHACHIをはじめ、AKB48やSKE48、NMB48といった48グループ、『ラブライブ!サンシャイン!!』のAqours、『ラブライブ!スーパースター!!』のLiella!といった声優グループ、さらにはライブアイドルシーンを牽引するFRUITS ZIPPERやiLiFE!など、多彩な個性のアイドルグループたちが発表されており、今後も出演者が増えていくことを考えると、かつてないほどにバラエティに富んでいる印象だ。これからタイムテーブルの発表も控えており、日程を抑えなければならないアイドルファンにとってはここからが本番とも言える。

中でも注目を集めているのが乃木坂46から四期生、日向坂46から三期生の出演が発表されたことだろう。乃木坂46 四期生と日向坂46 三期生は、2018年に開催された「坂道合同オーディション」を経て、それぞれのグループに加入したという共通点があり、異なるグループとして約6年ぶりに『TIF』という場所で集結することになる。

乃木坂46 四期生は2019年に数々の伝説を生んできたSMILE GARDENのトリを務め、オンラインで行われた2020年には最終日のHOT STAGEに出演。2022年は五期生が単独出演していたが、四期生単独としては約4年ぶりの『TIF』出演となる。4年前は四期生の黒見明香、佐藤璃果、林瑠奈、松尾美佑、弓木奈於といったメンバーは加入してあまり日の経たない中での出演だった。今年の『TIF』では成長した姿を見せることになる。

けやき坂46時代まで遡ると、2017年が最初と言えるが、日向坂46としてはデビュー年の2019年に初めて出演を果たし、その後も『TIF』の常連として熱いステージを届けてきた。日向坂46は毎年のように『TIF』に出演しており、日向坂46にとって『TIF』はツアーに代わる夏の風物詩となっている。

そんな日向坂46が今年初めて三期生単独での出演となった。かつて、まだあまり場数を踏んでいない乃木坂46 三期生や四期生が『TIF』に単独出演をした状況とは異なり、今回の日向坂46 三期生はすでにライブの経験を積んでおり、実力も十分に備わっている。しかし、一期生や二期生と比べると、三期生単独でのイベント出演経験はほとんどなかったのが現状だ。実際におひさま(日向坂46ファンの呼称)からも三期生の単独ライブを見たいという声も多く、満を持して大勢のアイドルファンが駆けつける対外イベントである『TIF』への出演を果たすこととなった。

日向坂46 三期生の髙橋未来虹は公式ブログの中で、「実はスタッフさんにも、三期生で何かやってみたいです!という気持ちを以前から伝えていて」と念願だったという思いを明かし、「この場所で私たちのことを初めて見る方もきっといると思いますが、日向坂46を背負って、気合十分で臨みたいと思います!」(※1)といった意気込みも綴っていた。

『TIF』が単独ライブと異なる点としては、髙橋も語っているように、おひさま以外のアイドルファンが大勢いるということだ。それはつまり、より多くのアイドルファンに知ってもらう絶好の機会でもある。何よりも『TIF』という大きなイベントに三期生単体で立つということの意義は非常に大きいはずだ。もちろん、この出演にはさまざまな事情があったのだろうが、三期生が日向坂46の看板を背負うまでに成長したのは間違いないだろう。

気になるのは、どの曲が披露されるのかということ。日向坂46の定番曲である「キュン」や「アザトカワイイ」といった楽曲はもちろんのこと、三期生の夏曲「この夏をジャムにしよう」や「ゴーフルと君」、山口陽世センターの「パクチー ピーマン グリーンピース」、髙橋センターの「愛のひきこもり」といった楽曲の披露にも期待がかかる。普段は大勢で踊っているフォーメーションが4人でどのようにパフォーマンスされるのかも注目ポイントだろう。

昨年は7万人を超える来場者数を記録し、コロナ禍前の熱を取り戻しつつある『TIF』。乃木坂46 四期生と日向坂46 三期生がどのステージに立つのかはまだ明らかとなっていないが、彼女たちが夏の熱気を振り払うような熱いステージを見せてくれることに期待したい。

※1:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/56245

(文=川崎龍也)

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