え、こんなに少ないの? 『ONE PIECE』ルフィ以外で“海賊王を目指す”と公言しているキャラたち

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「おれは海賊王になる男だ!!」尾田栄一郎氏による国民的海洋冒険ロマン漫画『ONE PIECE』の主人公、モンキー・D・ルフィの言わずと知れた決め台詞である。「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を手にした者・“海賊王”は、大海賊時代を生きる海賊たちの夢そのものだ。

だが、本作を読んでいると海賊なのになぜか海賊王を目指していないキャラのほうが多いことに気づく。最初から求めていない“白ひげ”エドワード・ニューゲートや、一度は目指したが諦めた描写のあるサー・クロコダイルなどはその典型だ。

そこで今回は、意外と貴重な「海賊王を目指すと公言しているキャラ」を振り返ってみよう。ルフィと同じ夢を追いかけるのはどんな海賊だろうか?

■野心と諦めの悪さは満点! 首領・クリーク

まずは「東の海編」でルフィと対決した首領・クリークからだ。5000人の兵力と50の海賊船を統率した“海賊艦隊提督”であり、率いる海賊団は“東の海最強”とまでいわれた。

“ダマし討ちのクリーク”とも呼ばれる卑劣な男ではあるが、海賊王への野心は本物。ルフィと「おれか お前か どっちが海賊王の器だ!!!」との問答もしており、「お前ムリ!!」と言い返された際は本気の怒りも見せた。

諦めの悪さもすごい。満を持して突入した“偉大なる航路”では、わずか7日で海賊艦隊壊滅の憂き目にあう。クリーク自身もわずかな部下とともに命からがら逃げ出したのだが、心が折れた様子はなく、それどころか再挑戦のためバラティエを襲う始末だ。

実力こそ「東の海編」相応だが、そのメンタルの強さは海賊王クラスといってもいいかもしれない?

■ルフィの同世代ライバル! ユースタス・キッド

偉大なる航路の中間点「シャボンディ諸島」にルフィと時を同じくして到着した海賊たちを“11人の超新星”と呼ぶが、そのなかで海賊王を明確に目指しているのがキッド海賊団船長、ユースタス・キッドだ。

「シャボンディ諸島編」時点の懸賞金は3億1500万ベリーと当時のルフィより高く、狂暴かつ残忍な海賊として世間に悪名を轟かせていた。

悪評に違わぬ粗暴な性格のキッドだが、夢への気持ちはまっすぐ。シャボンディ諸島でルフィと共闘した際は、ワンピースを手に入れるという夢を笑った相手をすべて殺してきた、と語っており、海賊王への熱意は人一倍強い。

格上との戦いが多いルフィにとって、貴重な同世代のライバルといえるだろう。

現在は赤髪のシャンクスに敗れて生死不明のキッドだが、個人的には再起に期待したいキャラだ。

■バギーに“黒ひげ”も…実力は十分すぎる大海賊たち

世界有数の大海賊“四皇”といった実力者のなかにも、海賊王を目指している海賊はいる。

たとえば、持ち前の悪運と奇妙なカリスマ性でまさかの四皇入りをはたした“千両道化”ことバギーだ。

どちらかというとバギーはギャグキャラだろう。だが、四皇認定をきっかけに忘れていた「海賊王になりたい」という夢を思い出し、ワンピース獲得戦線に名乗りを挙げる。反対していたジュラキュール・ミホークやクロコダイルを相手に、「お゛れ゛が!! 『海賊王』になり゛てェ!!!」と啖呵を切ったシーンには正直痺れた。

また、ルフィと浅からぬ因縁のある“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチは海賊王になるため白ひげ海賊団を裏切り、四皇の座に登りつめている。さらに「黒ひげ王国」を築いて世界政府所属の国家にしたいとも語っており、まさに本人の名言「人の夢は終わらねェ」を体現しつづける男だ。

この2人はまだ脱落しておらず、今後の物語に絡むことは間違いない。今後の動向からとくに目が離せないキーマンといえる。

海賊王を目指すキャラはこれだけではない。「他人の力で海賊王になる」と言い切るゲッコー・モリアや、トラブルさえなければ海賊王になっていたと断言する“ビッグ・マム”ことシャーロット・リンリンもいる。総数としては決して多くない「夢は海賊王と公言するキャラ」だが、目標が目標だけに濃いキャラが多い印象だ。

『ONE PIECE』も最終章に入って久しい。はたしてルフィと彼らの海賊王レースはどんな結末を迎えるのだろうか。

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