独楽寿司の板前  回転寿司大会で優勝  「断トツ」で外国人部門制す 八王子市

外国人材部門で1位になったスレンダラさん

独楽寿司八王子オクトーレ店(旭町)に板前として勤務するネパール人のクルンスレンダラさん(26)が、5月29日に新宿区で行われた「第九回全日本回転寿司MVP選手権」の外国人材部門に出場し、1人だけ制限時間内に所定の寿司を握り終えるなど、「断トツ」のパフォーマンスで優勝を収めた。

同選手権は、全国の回転寿司店などで組織する、(一社)日本回転寿司協会が主催。会員を対象に、コロナ禍を除き年に1回、技術向上などを目的に全国から腕に覚えがある職人たちが技を競い合う。

今年は全国から職人17人と、初開催となる「外国人材によるエキシビジョンマッチ」に出場する外国人5人が集結した。会場では実際に、寿司や巻物を握り、完成までのスピードや切り付け・巻物の美しさなどが審査された。握った寿司のグラム計測を行うなど正確さも審査の対象になった。

来日7年の勤勉職人

外国人材によるエキシビジョンマッチで優勝したのは、独楽寿司八王子オクトーレ店で働くネパール人のクルンスレンダラさん(天神町在住)。「将来母国で店を開くのに料理の勉強をしたい」という思いを抱き、19歳の時に来日。日本語学校で語学を学んだ後、下恩方町の萠愛調理師専門学校(園田京子校長)に入学。2021年に回転寿司店「独楽寿司」などを運営する株式会社システム企画に入社し、以来客前で寿司や巻物を握っている。

同社は人材不足解消のため、21年に初めて外国人登用を開始。スレンダラさんを含め4人が入社した。同社の海外事業部部長で、外国人支援担当の責任者でもある佐藤大輔さんは「スレンダラさんは技術や勤務態度が特に優秀で、いずれ何かのコンテストに出場させたいと思っていた。そんな中、(全日本回転寿司MVP選手権に)新しく外国人材部門が開かれると聞いて出場を勧めた」と経緯を話す。

同選手権では、サーモンやマグロ、巻物などの指定皿を、6分以内に見た目よく仕上げることが求められた。外国人材部門では制限時間内に終えたのはスレンダラさんだけだったという。グラム計測も10皿中8皿が規定許容内の重さで、「見た目もよく、断トツの1位だった」と佐藤部長は太鼓判を押す。

後輩にエール

6月13日には、母校である萠愛調理師専門学校にスレンダラさんが特別講師として凱旋。1年生など約30人を前に、同選手権と同様に握りのパフォーマンスを披露し、後輩たちに振る舞った。「日本に来て7年。(一通りのことは)自分でできるくらい頑張って、今回優勝できた。みんなも頑張って卒業してほしい」とエールを贈った。

母校で後輩たちを前に、寿司や巻物を振る舞った

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