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Hey! Say! JUMPが6月12日にオフィシャルYouTubeチャンネルで「ネガティブファイター」のライブ映像を公開した。本映像は8月21日にリリースを控えるLIVE Blu-ray&DVD『Hey! Sαy! JUMP LIVE TOUR 2023-2024 PULL UP!』に収録される楽曲のひとつで、昨年12月から今年1月にかけて行われた4大ドームツアーの東京ドーム公演の模様だ。
この公演のメインステージには全長16メートルに及ぶ巨大な木のセットを設け、それを背に8人それぞれのメンバーカラーを取り入れた華麗な衣装でパフォーマンスした。メンバーを一人ずつ、そしてペアごとに映し出し、わずかな時間だがメンバーの表情をしっかりと捉えている。
アイドルの“王道”の定義とは少々曖昧ではあるものの、豪華なセットに煌びやかな衣装、メンバーの笑顔が印象的で、楽曲に親しみやすさがある、そんな“王道”と呼ぶに相応しいエレメントをいくつも兼ね備えているのがHey! Say! JUMPだ。
彼らのYouTubeチャンネルには「ネガティブファイター」や最新アルバムの楽曲のほかに、過去の作品も多数配信されている。また「JUMPのラブソング」とカテゴリを設けているように、ど真ん中を射抜くようなラブソングが多いのも特徴だ。
再生回数の上位を見ると、「DEAR MY LOVER」(2023年)をはじめ、「ウィークエンダー」(2014年/Stage Mixバージョンもあり)、夏の恋をより輝かしいものにしてくれるサマーチューン「ファンファーレ」(2019年)、そして2017年にデビュー10周年イヤーの締めくくりとしてリリースされた永遠のラブソング「White Love」がラインアップ。
「DEAR MY LOVER」は山田涼介が出演した2023年4月期放送の火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)主題歌のほか、「ウィークエンダー」も山田と有岡大貴が出演した2014年7月期放送の土曜ドラマ『金田一少年の事件簿N(Neo)』(日本テレビ系)の主題歌。「ファンファーレ」も同様に2019年に山田が主演を務めた金曜ナイトドラマ『セミオトコ』(テレビ朝日系)の主題歌に起用された。
それぞれの物語の世界観を踏襲した主題歌としての役目を果たしつつも、Hey! Say! JUMPだからこそ打ち出せる王道のラブソングが、リリース年を問わず人気の上位を占める。それは、数字が物語るように、流行として消費されることなく、長く親しまれ愛され続ける楽曲を歌ってきた証とも言える。
ストレートでありながらも深みのある歌詞。口ずさみやすいメロディもあれば、心を晴れやかにしたり、テンションをあげてくれたりする楽曲までジャンルも幅広く、何度聴いても飽きることのない深みが彼らの楽曲、ラブソングにはあるのだ。
一方で、「ネガティブファイター」は作詞・作曲をうじたまい、コレオグラフは新しい学校のリーダーズが担当と、TikTokで活躍中のクリエイター陣を迎えるなど、新たな取り組みにも積極的だ。
過去にもダンスチューンを打ち出して新機軸を見せた「Ride With Me」(2013年)や、揃いの真っ赤な衣装と激しいダンスで注目を集めた「狼青年」(2020年)など、目の覚めるような大胆さでも驚かせてきた。
前述した『Hey! Sαy! JUMP LIVE TOUR 2023-2024 PULL UP!』でも、巨大なセットにはじまり、フロートやムービングステージなどを取り入れた華々しい演出も彼らならでは。
ダンスブロックでは、8人のボリューミーなフォーメーションに、重低音を響かせ、激しいダンスを披露するダンスでオーディエンスを圧倒した。光と音を浴びるクラブシーンを彷彿とさせながら、レーザーなどの照明と立ち込めるスモークの陰影を味方につけたミステリアスな雰囲気もまたHey! Sαy! JUMPだからこそ。8人に同じテイストをリンクさせながら個性を出すという、職人技が光る絢爛豪華なステージ衣装も魅力的で、全方位に見どころが散りばめられている。
何年経っても色褪せることのない楽曲の背景には、楽曲へのこだわりをはじめ、パフォーマンスに対する挑戦や個々の活躍も詰め込まれている。リスナーとして歌詞のメッセージや楽曲の世界観に魅了され、パフォーマンスに感情を揺さぶられた体験なども積み重なって深みを増していくのだ。
グループの冠番組をはじめ、メンバーのソロ活動も目覚ましく、俳優にバラエティにと多方面で活躍を続けるメンバーたち。そんな活動の一つひとつがYouTubeチャンネルのアクセスにも繋がっているのだろう。
アイドルの王道をひた走りながらも守りに入ることなく、バランスを保ちながら進化を続けるHey! Say! JUMP。作品が長く愛され続けているのは、しっかりとした王道感と、進化を止めないチャレンジ精神ゆえ。日本の音楽シーンでは様々なボーイズグループが誕生しているが、活動歴の長さを誇る彼らだからこその安定感と進化のバランスが取れたパフォーマンスがより光って映る。
(文=柚月裕実)