全米2位以来のメジャー 渋野日向子のマインドに変化「この3週間は大きかった」

渋野日向子が今季メジャー3戦目に挑む(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前情報◇19日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

「早かったかな。あいだが2週間だったので、もうすぐメジャーでドキドキしています」。“復活”の2位で終えた「全米女子オープン」以来のメジャー大会。そこで得た自信を、「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」にも持ち込むことができた。

今季は序盤から苦しみ、そのなかで得た全米の2位。そしてその後の2週間は21位、41位と4日間を戦い抜いた。「結果としてはあまり出ていないですけど、その試合(全米)をきっかけに、試合の入り方や気持ちも変わった」と、前向きな気持ちとともに歩みを進めることができた。

そして再び、メジャー大会を迎える。「多少はマインドが違うと思っているし、感じている。この3試合で少しでも変わったと思える部分があって、そういうマインドで入れて良かった」。メジャー今季第3戦は、「シェブロン選手権」、全米と全く異なる姿勢で臨めることが、まずなによりもうれしい。

月曜日に東海岸から移動し、そのままコースに入って18ホールを“歩いた”。プロアマに入らなかった火曜日は練習場のみで調整して、水曜日に西郷真央と同組になった練習ラウンドで実際にプレーして確認した。

「日本でもなかなか見ない狭さ」という、左右にせり立つ高い木々が視覚的にも緊張感を与える。全米からドライバーをしっかり振りちぎっている姿が印象的だったが、「前よりは少し自信をもって臨めるけど、それでも狭い(笑)。難しいからどんな感じになるか分からないですけど、どれだけ木に当たるか楽しみです(笑)」。自虐的な“シブコ節”も出しながら、「しっかり振れるように頑張りたいけど、まずはコントロール重視かな」とフェアウェイキープを徹底することを目指す。

相棒とする14本のクラブについても、「まだ100%のセッティングではないと思っているので、いろいろ試しながらだけど、確実に、前よりはいいなと感じている」と、フィーリングを確かめながら余念のない調整で向き合っている。さらに、このコースでは“総合力”が求められていると話すが、「前半戦に比べたらちょっとは(良くなったと)感じますけど、まだまだ足りない。そこは練習かな」と、さらなる技術やレベルアップを求める日々を続けている。

この全米女子プロには「あまりいい思い出がない」というのが正直なところ。2021年大会は予選通過後にキャディがコロナ陽性となり、地元のハウスキャディを急きょ起用。パー3で池ポチャ4度の「10」を叩くなど崩れた。22年は3日目スタート前に体調不良により棄権。昨年は左手を痛めたこともあり、予選落ちに終わった。過去4度出場し、最高位は21年の40位。「しっかり4日間戦って、いい位置で終えられるように頑張りたい」と見据える。

全米を含めた3週間で、様々なことを学ぶことができた。「4日間できているからこそ、もっと上のことに気づける。この3週間は大きかった」。この全米女子プロでも4日間を戦い、さらに上位争いに加わることができれば、またさらに一回り大きく成長できるはず。今年は「いい思い出」を作りたい。(文・笠井あかり)

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