高速走行中に目が合った可夢偉とフォコ/SC出動記録を更新/動員は昨年比微増etc.【ル・マン24時間決勝後Topics 2】

 6月15〜16日、フランスのサルト・サーキットでWEC世界耐久選手権第4戦/第92回ル・マン24時間レースの決勝が行われ、わずか14秒というマージンで50号車フェラーリ499Pが7号車トヨタGR010ハイブリッドを下した

 決勝後のパドックから、各種トピックスを2回に分けてお届けする(前編はこちら)。

■320km/hで目が合う?

 レース後の記者会見で7号車トヨタGR010ハイブリッドの小林可夢偉は、コース上で50号車フェラーリ499Pのアントニオ・フォコに対して、コミュニケーションを取ったという面白いエピソードを披露し、拍手喝采を浴びた。

 可夢偉は次のように回想している。

「真夜中に320km/hでインディアナポリスに入る途中、アントニオを追い越しましたが、それはとても印象的でした。僕は窓からこう(ハンドジェスチャーを)しました。すると彼は僕に気づき、僕らはお互いの目を見合わせました。なぜなら彼は顔を窓に向けて、まるで『イエス』と(言っているかのように)うなずいたからです! レース後、彼は僕にあのときクルマに乗っていたのは誰かと尋ねたので、僕だと答えました。これがレースのハイライトでした」

■ランキングはポルシェとフェラーリがトップ2

 ル・マンのリザルトは、WECハイパーカーのドライバーランキングに大きな影響を与えた。6号車ポルシェ963のケビン・エストーレ/ローレンス・ファントール/アンドレ・ロッテラーの3人は99ポイントで首位を維持、50号車フェラーリのフォコ/ニクラス・ニールセン/ミゲル・モリーナの3人は90ポイントで2位に浮上している。

 トヨタの可夢偉とニック・デ・フリースは82ポイントで3位、マイク・コンウェイは欠場のため今年のタイトル獲得は逃すこととなった。

 注目すべきは、ハーツ・チーム・JOTAの38号車、そしてランボルギーニ・アイアン・リンクス63号車陣営がそれぞれ9位と10位に入り、WECのシーズン初ポイントを獲得したことだ。

 一方、ハイパーカーのマニュファクチャラーランキングでは、ポルシェが108ポイントでトップ、フェラーリが99ポイントで2位、トヨタが96ポイントで3位となっている。

 今シーズンはまだポイントを獲得していないが、イソッタ・フラスキーニはティーポ6・コンペティツィオーネのル・マンデビューでほぼトラブルフリーな走りを披露し、9周遅れの14位でフィニッシュした。

 デュケインのチームマネジャーのマックス・ファヴァードは、11号車が大幅なタイムロスを喫したのは、他車との軽い接触で修理が必要になったときだけだと語った。

11号車イソッタ・フラスキーニ・ティーポ6-C(イソッタ・フラスキーニ) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間

■運転時間超過に警告

 アコーディスASPチームの78号車レクサスRC F GT3は、ティムール・ボグスラフスキーが連続する6時間以内での最大走行時間4時間を超えたため、警告を受けた。

 関連するスチュワード・ブルテンは、チームがその時点でピットガレージでのパワーロスに見舞われ、チームが「その期間中に走行時間を計算するために必要なデータを失った」ことを認めている。また、違反はセーフティカー中に起こったため、78号車は「競争上の優位性」を得られなかったと指摘している。

78号車レクサスRC F LMGT3(アコーディスASPチーム) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間

■観客動員数は32万9000人

 ACOフランス西部自動車クラブは、今年のレースの観客動員数が昨年の100周年記念大会の観客動員数32万5000人を上回る32万9000人になったと発表した。

 WECの2024シーズンは、7月14日にブラジルで開催される第5戦サンパウロ6時間レースへと続いていく。なお、決勝前日の記者会見における2025シーズンカレンダー発表で明らかになったように、来年のル・マン24時間レースは6月14〜15日に行われる。

2024年ル・マン24時間 暫定表彰式の様子

投稿 高速走行中に目が合った可夢偉とフォコ/SC出動記録を更新/動員は昨年比微増etc.【ル・マン24時間決勝後Topics 2】autosport web に最初に表示されました。

優勝した50号車フェラーリ499Pと2位の7号車トヨタGR010ハイブリッド
311号車キャデラックVシリーズ.R(ウェーレン・キャデラック・レーシング) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間

© 株式会社三栄