原子力規制庁 施工不良の防潮堤、建て直し検討を要請 東海第2 茨城

原子力規制庁から施工不良部分の建て直しを含む検討を求められた東海第2原発の防潮堤=東海村白方

茨城県東海村白方の日本原子力発電(原電)東海第2原発で建設中の防潮堤の基礎部分に施工不良が見つかった問題で、原子力規制庁が原電側に当該部分の建て直しを含め検討するよう求めたことが19日、分かった。同庁の新規制基準適合審査で、同庁担当者が原電側に伝えた。原電は建て直しについて検討する。

原電側は同日までに開かれた原子力規制委員会の適合審査で、施工不良の調査結果について報告。審査を担当した同庁担当者らは、調査方法の問題点などを挙げ「現状の調査で(施工不良の)全容把握ができていると見なすことができない」と指摘した。今後の対応についても「抜本的に設計を見直し、(施工不良部分を)作り直すことを含めてもう一度検討を」と求めた。

原電は東海第2の再稼働に向け安全対策工事を進めていたが、昨年6月に防潮堤で施工不良が判明し工事が中断。原電の村松衛社長は今年9月までの工期について「非常に厳しい」との認識を繰り返し示している。

ただ、原電は工期を変更しておらず、同村の山田修村長は「誰が見ても難しい」などと批判していた。

山田村長は19日、取材に対し、建て直しを含む検討の要請について「大変驚いた」とする一方、安全対策工事については「工期にかかわらず、安全最優先で一つ一つ進めてほしい」と述べた。

原電に対しては「9月に間に合わないことをまず認め、今後の見通しをできるだけ早く示してほしい」と要望した。

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