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文字通り、全米が悲しみに包まれた。
通算660本塁打、3283安打を記録し、オールスターに計24回も選出された史上最高のオールラウンド・プレーヤー、ウィリー・メイズが93歳で亡くなったことが6月18日(現地)に発表された。
ニグロリーグを経て、1951年にニューヨーク・ジャイアンツでデビューしたメイズは走攻守三拍子そろった選手として活躍。派手なプレースタイルや快活な性格もファンに愛され、“セイ・ヘイ・キッド”のニックネームで絶大な人気を博した。
1954年のワールドシリーズでは、センターへの推定飛距離およそ130mの大飛球を背走しながら好捕。この美技はそのものずばり“ザ・キャッチ”と呼ばれ、MLB史上最高の好プレーとして今も語り継がれている。
計23年のキャリアで本塁打王と盗塁王が各4回、首位打者1回、ゴールドグラブ12回受賞という経歴からも、メイズが走攻守を備えたオールラウンド・プレーヤーだったことが分かる。
ベーブ・ルース、ジャッキー・ロビンソン、ハンク・アーロン、テッド・ウィリアムズ、ジョー・ディマジオらと並ぶ「レジェンド中のレジェンド」の死には、ジョー・バイデン大統領やバラク・オバマ元大統領が追悼の意を表明した。 とはいえ、訃報に最もショックを受けたのは現役時代の大半を過ごしたジャイアンツの関係者たちだったことは間違いない。
この日、敵地でのカブス戦の最中に訃報をもたらされたジャイアンツ専属アナウンサーを務めるデーブ・フレミングは試合の様子を伝えつつ、メイズの訃報を発表しようとしたが、感極まって言葉が出てこない。数秒間にわたる沈黙を何回か繰り返した後、何とか「ジャイアンツ史上最高の名選手ウィリー・メイズが93歳で亡くなりました」と絞り出したが、「私たちはメイズにお別れを告げなければなりません」と語った時には明らかに声が震えていた。
奇しくも、6月21日にはニグロリーグの選手たちを称えるイベントとして、メイズの出身地でもあるアラバマ州バーミングハムのリックウッド・フィールド(アラバマ州)でカーディナルス対ジャイアンツ戦が行われる。その直前の訃報だっただけに、ファンや関係者は悲しみに打ちひしがれている。
MLBは19日に行われる全15試合で、メイズへの黙祷を捧げることを発表している。
構成●SLUGGER編集部