いじめっ子に一瞬でマウントを取る方法とは?『オールド・フォックス』本編映像解禁

侯孝賢プロデュース、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ俊英・シャオ・ヤーチュエン監督による台湾・日本合作映画『オールド・フォックス 11歳の選択』が公開中である。この度、11歳の少年リャオジエが、“腹黒いキツネ”と呼ばれるシャからいじめっ子たちを見返す手っ取り早い方法を学び、激しく影響されるきっかけとなる本編映像が解禁となった。

主演は台湾で神童と呼ばれる天才子役バイ・ルンイン

バブル期の到来を迎えた台湾。11歳のリャオジエ(バイ・ルンイン)は、父(リウ・グァンティン)と二人で台北郊外に暮らしている。自分たちの店と家を手に入れることを夢見る父子だったが、不動産価格が高騰。リャオジエは現実の厳しさと、世の不条理を知ることになる。そんなリャオジエに声をかけてきたのは、“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主のシャ(アキオ・チェン)だった。他人にやさしい父と違い、他人なんか見捨てろと言い捨てるシャ。果たしてリャオジエは、どちらの道を歩んでいくのか…。

主演のリャオジエには『Mr.Long ミスター・ロン』などで日本でも知られている日台のダブルで、台湾では神童と呼ばれる天才子役バイ・ルンイン。そして日本でもスマッシュヒットを記録した『1秒先の彼女』のリウ・グァンティンがW主演としてリャオジエの父親役に扮し、慎ましやかに支え合いながら生きる父子役を演じている。

リャオジエに影響を与える“腹黒いキツネ”(オールド・フォックス)と呼ばれる地主のシャ役には、台湾の名脇役アキオ・チェン。シャの秘書役に『怪怪怪怪物!』のユージェニー・リウ。そして、門脇麦が経済的には恵まれているが空虚な日々を生きる人妻・ヤンジュンメイを演じ、初の台湾映画出演を果たした。

先週末より上映がスタートし、SNS上では「開始2分でこれは良い台湾映画だ、と思える映画だった。」「これは今年のベスト10に入ると思う。おすすめ。」など絶賛コメントで溢れかえっている。

夢と欲望、そして思いやりの間で揺れ動く11歳  

強者に学ぶいじめっ子へのマウントの取り方

主人公のリャオジエは、“腹黒いキツネ”と呼ばれる地主のシャと出会い、可愛がられるようになる。世の中の不平等に怒りを露わにするリャオジエを気に入って「他人を思いやるな」とリャオジエの心優しき父親とは真逆の生き様を説き、相手への同情を断つ方法を教え込む。

映像では、いじめに遭っていたリャオジエに鬱憤を晴らさせるべく、シャは高級車の助手席にリャオジエを座らせいじめっ子たちがたむろする公衆トイレへと向かった。車が近くに来るとトイレにいたいじめっ子たちの視線は釘付けになった。シャはリャオジエに「真正面を見てろよ」と言う。リャオジエは緊張した面持ちでいじめっ子たちには目もくれず前を見つめる。シャはわざとゆっくりと車を走らせ、トイレの前を通り過ぎる。トイレを通過したところでリャオジエはトイレを一瞥し、笑顔で「僕もなりたい、スカッとする」とシャに羨望の眼差しを向ける。

シャは、幼い頃の自分にリャオジエを重ねており「私の目に狂いはなかった 教え甲斐がある」と満足気だ。重ねて「私の母親がいたら私を叱るだろう」と言うと、リャオジエも「僕の父さんも」と続き絆を深める。そして、「スカッとするのはなぜた?」とシャが問いかけると、「相手が怖がった」と満面の笑みでシャに向かって答える。すっかりシャの従順な教え子だ。「不平等だからだ」とシャが答えると「僕は強い側」とすっかりシャの教えに傾倒していってしまうのだった。

父とシャ二人の真逆な大人たちの間で翻弄されていくリャオジエ。図らずも、人生の選択を迫られたリャオジエが選び取った道とは・・・!?

『オールド・フォックス 11歳の選択』
新宿武蔵野館ほか絶賛公開中 
配給:東映ビデオ 
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映画『オールド・フォックス 11歳の選択』公式サイト

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