「クソ」「連中」「誰だお前」暴言の嵐…自民・長谷川議員のヤバすぎるパワハラ騒動に吉幾三も激怒「私は怒ってます!」

参議院北海道選挙区選出の長谷川岳議員によるパワーハラスメント騒動が尾を引いている。とある芸能人の告白から始まった一連の騒動は、未だおさまる気配を見せておらず、反対に拡大し続けている。ライターの小林英介氏がレポートするーー。

長谷川岳議員に吉幾三が激怒「私は怒ってます!」

2023年5月12日、動画投稿サイトYouTubeでとある動画が公開された。「私は怒ってます!」と題された動画は、歌手の吉幾三さんが公開したもの。動画の中では、とある国会議員が「横柄な態度をとっている」として批判していた。

その後、吉さんは今年3月19日に再び動画を更新し、その国会議員が長谷川岳議員だったことを明かした。その動画内ではとあるキャビンアテンダントから寄せられた手紙の一部を公開。長谷川議員が「非常に高圧的な言い方をされる」「異常なほどの剣幕でクレームを伝えてくる」などとし「とても政治家とは思えない」と被害を訴えていた。

動画による影響を考慮したのか、長谷川議員はその2日後に自らが運営するアメーバブログを更新。「本日は航空政策および飛行機の遅延についての考え方を述べたいと思います」とのタイトルで、飛行機の遅延に関する自らの考え方を主張した。その後、マスコミ各社が報道を始め、少しずつ長谷川議員の話題が広がり始める。ハラスメントをしていた対象も、札幌市や北海道の職員らへと拡大。4月17日には、石井純一自民党国体委員長から厳重注意処分を受けている。

幹部ら前に「クソ」「連中」と暴言の嵐

「そこの札幌市の連中!」

「ありがとうも クソもメールもない。ありがとうもない。結果もない。誰だ、お前はって感じだよね」

「札幌市の皆さんに足りないのはサービス精神です。こうやったら北海道札幌がどう変わるのか、人はどう変わるのか、人に喜んでもらって自分も嬉しいねとか、感じる気持ちだよね」

今年3月に札幌市で開かれたとある会合。長谷川議員が札幌市の幹部らに対して詰め寄っている場面の一つである。長谷川議員は幹部らを前にして「連中」「クソ」など比較的汚い言葉を並べており、幹部職員らが長谷川議員に対して「威圧的言動を受けた」と感じるのも無理はないだろう。

長谷川議員と面談することを目的とした道職員の出張回数が276回

ところで北海道は5月28日、長谷川議員と面談することを目的とした道職員の出張回数が276回に上っており、2019年からの5年間で約1億2000万円の経費がかかっていたとの調査結果を公表。「ひとりに会うためだけに公費で上京して対応するというのは課題がある」と北海道の鈴木直道知事が会見で述べた。

秋元克広札幌市長も4月10日に行った記者会見で「長谷川議員から反省して言動を改めたいと報告を受けている」などと述べた上で、政策を説明するために東京へ出張した際、幹部4人分の費用が昨年1年間で約500万円に上っていたと明らかにした。また、別の部署では昨年6月から約10ヵ月間で26回の面会と約200万円の費用がかかっていたとも説明。異常なほどの金額が明らかになった。

戸塚ヨットスクールに通学していた話も

長谷川議員は愛知県で生まれ、1994年に北海道大学を卒業。一部報道ではスパルタ教育でも知られている「戸塚ヨットスクール」に通学していたとの話もある。北海道大学在学中には「YOSAKOIソーラン祭り」実行委員会を立ち上げ、現在も続く祭りの運営にあたった。

2010年7月、第22回参議院議員選挙で初当選を果たし、2014年からの第2次安倍改造内閣・3次安倍内閣で総務大臣政務官、そのほか総務副大臣を歴任するなどし、順調に政治活動を行ってきたかに見えた。しかし、明らかになったハラスメント騒動。5月29日には地方デジタル特別委員会の委員長を辞任している。「二度とハラスメントだと言われないよう(自らの言動を)変えていかなければならない」と長谷川議員は会見で話したが、自らの行動や言動がハラスメントにつながっているとの認識を根本から変えない限り、再びハラスメントと取られかねない言動をしてしまうだろう。

ハラスメントはされた方が思うものだ。した方の気持ちは関係ない。今回の騒動では、国会議員という優越的な地位を背景として、ハラスメントが行われていたに違いない。国会議員は「先生」と呼ばれるほど、優越的地位にある。そのような立場の違いも、ハラスメントを産む原因になっていたのではないかと考えることもできよう。

長谷川議員は議員辞職は今のところ否定しているが…

ちなみに、筆者も取材などで道内各地を回る際、長谷川議員の評判については色々と聞いたことがある。「あの人は威圧的だ」「ハラスメントととらえられても仕方ない行動・言動をしている」。筆者が耳にしたことは、あながち間違いではなかったと感じている。

長谷川議員が学生時代に立ち上げたYOSAKOIソーラン祭りは9日に終わったばかり。祭りの結果を気にするどころか、自らが行ったハラスメント行為で自らが苦しむことになろうとは思わなかったはずだ。長谷川議員は議員辞職は今のところ否定しているが、世論の後押しがあって議員辞職をする可能性も定かではない。今後の動きを注視したいところだ。

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