中国、アフリカとの農業協力を推進

中国、アフリカとの農業協力を推進

ナイジェリア・アブジャの近郊にある農場で、水稲の育成状況をチェックする緑色農業西非の農業技術専門家。(3月27日撮影、アブジャ=新華社記者/楊喆)

 【新華社ナイロビ6月19日】中国とアフリカの農業協力はここ数年、中国・アフリカ協力フォーラムや「一帯一路」共同建設構想などの枠組みの下で絶えず深化し、著しい成果を収めている。中国は農業生産現場から電子商取引(EC)市場に至るまで、技術支援や産業チェーンの構築、市場開拓を通じてアフリカ諸国の農業生産力の向上を後押しし、アフリカ大陸の農業現代化を推進している。

 ナイジェリアの首都アブジャ近郊に位置するナイジェリア農業技術実証センターでは、アフリカでの協力プロジェクトやエネルギー開発を手がける中国企業、中地海外集団傘下の緑色農業西非の農業技術専門家が水稲の加工作業場で新たに収穫されたコメを詳しく検査している。

 長年の努力を経て、緑色農業西非の専門家が地元の自然条件を踏まえて選定・育成した水稲の優良品種は平均収量が地元の一般品種より20%以上多く、すでにナイジェリア農業部門の審査にパスし、同国の3分の2の州に導入されている。

 緑色農業西非はナイジェリアの大手種苗企業の一つで、同国政府の種子供給プロジェクトに参加している。全国の30数州に3万トン以上の種子を提供し、水稲の収量を200万トン以上増やすことに貢献した。

 中国は過去10年でアフリカに農業技術実証センターを24カ所設立し、300項目以上の先進的な農業技術の普及に取り組み、地元の農作物の平均収量を30%~60%増やし、100万世帯以上の農家に利益をもたらした。

 中国の農業専門家は技術の伝授や品種改良などを通じて水稲やキャッサバ、大豆など重要な農作物の収量と品質を高め、野菜や果物、大豆などの新品種を導入し、アフリカの人々の食卓を豊かにし、農業の新分野の発展を促進している。

 木の代わりに草を使ってキノコを栽培する中国の菌草技術はすでに100以上の国に広がり、17カ国に実証拠点が設立されている。アフリカでは、菌草が素晴らしい生活の追求を後押しする「富裕草」「幸福草」となっている。

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ルワンダ・キガリにある食用キノコ栽培基地で、キノコの育成状況をチェックするオーナー。(2020年9月9日撮影、キガリ=新華社配信)

 ルワンダではすでに4千世帯以上の農家が菌草技術を用いて食用キノコを栽培しており、関連産業が3万人以上の雇用を生み出している。

 キャッサバはアフリカの重要な主食作物の一つだが、品種と技術の面で遅れており、単位収量が少なく、加工能力も限られている。

 中国熱帯農業科学院はアフリカの主要キャッサバ生産国と協力を展開し、キャッサバの収量増加と品種拡大を後押ししている。同院のキャッサバ産業発展研修コースでは、南アフリカやナイジェリア、ウガンダ、コンゴ共和国などの農業部門の職員や技術者がキャッサバ澱粉をビスケットやヨーグルト、ケーキ、麺類などの製品にも加工できることを知り、「キャッサバの用途がこんなに幅広いとは思わなかった」と感心する様子が見られた。

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海南省の中国熱帯農業科学院にある基地で、同院が主催したキャッサバ選別・育成の技術研修を受けるエジプトの助教授。(2020年3月24日撮影、海口=新華社配信/張麗蕓)

 ケニア花卉(かき)園芸協会(KFC)のクレメント・トゥレジ最高経営責任者(CEO)によると、ケニア産の生花は長年にわたって主に欧州諸国へ輸出されていたが、中国政府が2021年11月にアフリカ産農産物の対中輸出に対する優先措置を導入し、検査・検疫にかかる時間を短縮させ、関税の免税範囲を拡大すると発表したことで、ケニア産の花卉やアフリカ各国で生産されたアボカド、柑橘類、パイナップルなど特色ある農産物の販路が切り開かれたという。

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アフリカ西部ベナンにある青果店の店頭に並ぶパイナップル。(2023年10月23日撮影、コトヌー=新華社配信)

 23年6月時点でアフリカ11カ国、16項目の農産物が優先措置を利用した対中輸出を実現し、ますます多くのアフリカの特色ある商品が中国市場で人気を集めつつある。一連の貿易促進措置を追い風に、アフリカの対中農産物輸出は大幅に増え、中国はアフリカ第2位の農産物輸出相手国となった。中国国際輸入博覧会や中国・アフリカ経済貿易博覧会、優れたアフリカ製品に焦点を当てたオンラインショッピング祭りなどのプラットフォームもアフリカ産農産物を展示する重要な窓口となり、その国際的知名度を高めている。

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