【早出し】中村医師の映画、多くの県民に 県内各実行委の合同会議

谷津賢二監督(右から3人目)が出席し、中村哲さんの生き方などについて語った合同会議=山形市・遊学館

 アフガニスタンで活動中の2019年に殺害された医師中村哲さんを追ったドキュメンタリー映画の上映活動が、全国で広がっている。本県でも14市町で上映が決まり、さらに4市町が検討する。山形市の遊学館で19日、県内各実行委員会の合同会議が開かれ、多くの県民に作品を届ける思いを共有した。谷津賢二監督(63)も出席し、不寛容な今の時代に響く中村さんの生き方について語った。

 映画は「荒野に希望の灯をともす」。中村さんが1984年にパキスタン北西部の病院に赴任してから、アフガニスタンで用水路建設に取り組み、砂漠を緑の大地に生まれ変わらせるまで35年の軌跡を追った。22年に完成・公開後、地域上映の動きが広がり、これまでに300カ所で約10万人が鑑賞。県内では30日の酒田市を皮切りに順次上映される。

 合同会議には約30人が参加した。谷津監督は、戦火や洪水の中で命を懸けて用水路建設に力を注いだ中村さんに地元住民は信頼を寄せていたとし、「民族、宗教、文化の違いを乗り越え、助け合って生きていこうと、生き方で示した人」だったと話した。

 寒河江市実行委代表の菊地若奈さん(51)は「たくさんの人に(映画が)届くように頑張りたい」と語った。自主上映に関する問い合わせは、配給会社のシネマとうほく022(225)0986。

映画「荒野に希望の灯をともす」の一場面
「荒野に希望の灯をともす」の一場面

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