実を結んだ深い学び 東桜学館高生、英語討論全国4位・東根

英語討論の全国大会で4位に入賞した(左から)小松佳奈さん、早坂美緒さん、縄優颯さん、三原慧大さん、半田瑞歩さん=東根市・東桜学館高

 東桜学館高(東根市、生島信行校長)ESS部が、全国の高校が参加するオンライン方式の英語討論大会で4位に入賞した。事前に論題が示される「準備型」の大会で4位以上になるのは、東北で初めて。部員一丸となって知識を蓄え、大舞台で力を発揮した。

 大会は「Sprinter Cup 2024 Online」で、今月2日に全国大会の常連校など56チームが参加して開かれた。今年3月に発表された論題は「日本政府は、原子力発電所を全て廃止すべきである。是か非か」。主張の内容に現実性があるか、社会にとってどれほどの重要性があるかなどを基準に審査が行われた。

 4位入賞した東桜学館高Aチームのメンバーは2年の縄優颯(ゆうか)さん(16)、半田瑞歩さん(17)、小松佳奈さん(17)と1年の早坂美緒さん(15)、三原慧大(けいた)さん(16)の5人。立論、相手の主張への反論、自チームの主張の補完、全体の取りまとめの役割に分かれ、4試合に臨んだ。首都圏などの強豪校と渡り合い、3勝1分けと奮闘した。

 他の学校には帰国生が在籍するなど、「正直、英語力では劣る」と話す東桜学館高の生徒たち。対抗するために注力したのが、原子力発電の現状や課題などについて徹底的に学ぶことだった。部員20人全員が力を合わせ、書籍を読み込んだり、部内での練習試合を重ねたりし、入念な準備を行った。知識量で上回れたことが好成績につながり、Bチームも14位に入った。

 縄さんは「英語を介して討論することが難しい分、努力したときに成長できた実感がある」と英語ディベートの魅力を語る。顧問の山口和彦教諭(52)は「話すことで、英語の論理性が身に付けられる」とし、英語教育の観点からも好影響があると指摘する。

 「準備型」の討論では、12月の全国大会が次の大きな目標となる。論題は今回と同じで、他校もさらに論理性などに磨きをかけてくると見込まれる。部員たちは「全国で勝利するのは簡単ではない。みんなの力で今回以上の成績に挑戦したい」と意気込んでいる。

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