井上尚弥にタイソン元トレーナーが助言 ロマチェンコ〝失敗〟を例に「誰にでも限界ある」

井上尚弥

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)のフェザー級転向に世界からも〝慎重論〟が出ている。

スーパーバンタム級では、もはや敵なしとなった「モンスター」。マッチメークにも苦戦している中、共同プロモーターを務めるトップランク社のボブ・アラム最高経営責任者(CEO)は、井上が来年にもフェザー級に昇級する方針を示した上で、同級王者たちに向け「井上とやれば、大金が手に入る」とあおっていた。

そんな中、米専門メディア「ボクシングシーン」によると、元世界ヘビー級王者マイク・タイソンもトレーナーを務めたことで知られるテディ・アトラス氏が「井上のプロモーターは92歳です。彼が忍耐強く待つつもりだと思いますか?」とし「彼(アラム氏)は『フェザー級で戦うのが早く見たい』と(井上に)言うでしょう」と語ったという。

ただ早急な階級変更には苦言を呈する。アトラス氏は「(世界3階級制覇王者ワシル)ロマチェンコ(ウクライナ)は史上最高のファイターだ。3階級も上げたが、誰にでも限界はある」と苦戦した例を挙げて「(世界6階級制覇王者マニー)パッキャオ(フィリピン)のように特別な骨格でなければ、体重を増やして階級を上げ、パワーやスピードを維持するのは非常にまれなことだ」と指摘していた。

同メディアは「ロマチェンコが体格の不利によって苦戦しているのを見て井上が急いで同じリスクを冒すことを望んでいない」と報道。井上自身も階級変更には慎重な姿勢を示している中、来年以降となる5階級制覇に向けた動向が気になるところだ。

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