【鳥取県北栄町】移住者インタビュー/ないものを求める暮らしではなく、あるものを楽しむ暮らしをする。海外で感じた田舎暮らしの本質とは。カフェ『nanakusa木鳥』経営中村さん

鳥取県移住者インタビュー

中村 佳世さん 湯梨浜町出身(Uターン)


湯梨浜町出身の中村さんは、高校時代に偶然出会った友人の影響で海外の暮らしや文化に興味を持つようになり、海外や東京での暮らしを経験。その後、2011年に鳥取県へUターン。現在北栄町でカフェ「nanakusa木鳥(ことり)」を営む中村さんに、Uターンの経緯や鳥取での暮らし、海外経験から感じた田舎での暮らしの魅力について伺ってきました。

カフェ開業のきっかけは子どもの頃に大好きだった”お茶の時間”

その日にお届けしたい食材で彩る、作り手の顔がすべて分かる大人気ブランチセット(中村さん提供)

中村さんは湯梨浜町出身。高校は米子の学校へ進学したものの、特にやりたいことがあったわけではなかったそうです。そんな何となくで過ごしていた高校時代に偶然出会った友人から影響を受けたといいます。その友人は高校中退ながら、人の目を気にせず自分らしく逞しく生きていたそうです。自分とは真逆のライフスタイルを過ごしていて衝撃を受けたとともにとても輝いて見えたと話す中村さん。その友人と初めての海外となるインドネシアへ行き、”海外に住みたい、海外の文化が知りたい、いつかワーキングホリデーに行きたい”という夢ができました。高校卒業後、地元企業での勤務を2年弱した後、まずは一カ月間単身カナダへ。英語も全く分からない中、やってみたいことはやる!という気持ちで、刺激的な毎日を過ごしたとのことです。

その後、23歳で結婚を機に東京での暮らしがスタート。

「実家が梨農家なので、子どもの頃は家族で梨の作業をしながら”みんなでお茶をする”という時間が多くて、その時間がとても大好きでした。東京で何をしようかと思った時、その記憶があったのでカフェで働くことにしたんですよね。」

ワーキングホリデーに行く前に、もう一つ何か経験を積んでみたいと思っていた東京暮らし3年目の頃、東京で仲良くなった作家さんから誘われて、カフェの開業を決意されたそう。その時も背中を押したのは子どもの時に好きだったお茶の時間の記憶だったそうです。

“今できる範囲でやる”というスタンスで常にきたので、まずはワーホリのために貯めていたお金だけでカフェをしようと思いました。その方が負担がないし、自由でしたね。未経験のことばかりだったので、そこでたくさんの人に出会って助けてもらって…その積み重ねで東京の暮らしはしていました。もちろん、カフェをしながら夏休みにはイギリスやフランス、ハンガリー、チェコとか海外に行ってましたよ。」

「東京でカフェを開業して3年。子ども連れで来てくださるお客さんが増えて、東京で子ども達が走り回れるような庭付きの物件がないか探してたんですよ。でもなかなかなくて、、、鳥取ならありそうだし、今のお客さんは鳥取のこと知らないから来てもらっちゃおう!って思って、鳥取に帰ることにしました!突然、カフェ辞めます!ってなっちゃったので、お菓子教室を開いて、お客さんには自分のレシピを伝えました。今でもその頃のお客さんから連絡きますよ!作ってるよ~とかレシピなくしたから教えて!とか(笑)」

海外での暮らしから感じた田舎暮らしの魅力

近所や友人などから届く新鮮な野菜や果物たち

鳥取へ帰ろうと思った時がちょうど30歳。目標のワーキングホリデーに行けるんじゃない?というか行かなくちゃ!と、友達がいるカナダへ約半年ワーキングホリデーに行かれたそうです。島に2週間いたり、ビクトリアでファーマーズマーケットしたり…本当の豊かな暮らしというものを目の当たりにしたそうです。

「外国の暮らしって、力が抜けてるんですよね。手を入れてないというか。食事も案外質素だったりするんだけど、みんなで楽しく食べたらそれでOKって感じ。今あるものでできる暮らしを大事にしてるんですよね。休日天気が良かったら、ピクニック行こう!あそこの海行ってみようかってなる。海は夏だけのものって考えでもないし、パンやお菓子持っていって、途中でアイス買って食べたり。たまには町に出かけて買い出しには行くけど、基本的には今あるもので満足してて、今の環境を楽しんでて…とっても暮らしが豊かなんですよね。ないものを求めてる田舎暮らしではなくて、あるものを楽しんでいる田舎暮らしですね。そこには必ず人とのコミュニケーションがあって、それがすごく自分に合ってました。」

旬のものを使って焼き上げるマフィンやスコーンたちが店頭にずらり(中村さん提供)

「鳥取に帰ったのが2011年。すでに決めていた店名『木鳥(ことり)』を使って『小さな木鳥』として間借りしたスペースでカフェをしました。その後、昔の五穀を使ったメニューを提供する『七草(ななくさ)』というカフェを2013年に南部町で開業し、子育てもしながら11年間しました。10年目を迎えた頃、周りの環境の変化もあり、今の場所より自分らしいお店を作りたいと思って、導かれるように今の北栄町の場所にたどり着きました。私の暮らしは、お客さんが喜んでくれてお店が成り立っている→喜びの循環で暮らしが成り立っているんですよね。」

nanakusa木鳥の外観。昔は保育園だったという木造平屋建て。誰でもふらっと立ち寄れる、中か外かあいまいな空間が特徴。

木鳥(ことり)には『庭がある場所に人が集ったり休んだりつながったり…旅をして楽しかったものや良いものを持ち帰ってみんなと共有して…幸せや喜びで大きな木になりますように。』という想いが込められているそうです。

鳥取で楽しく働いている大人がいるということが大事

摘みたてのイチゴをふんだんに使ったフレンチトースト

「(作り手の)顔が見えるものを使うっていうのは私にとって喜びにつながります。鳥取は、米や小麦、フルーツなど使う素材の全ての顔が見えるんです。地域の大工さんや電気屋さん、ガス屋さんもそう。安心して暮らしを楽しめる場所だからこそ提供するもの全てをものとしてではなく、ストーリーとして伝えてあげられる場所にしたい。それは東京ではなかなかできないけど、鳥取ならできる。鳥取に帰ってから10年かけて形になったのは良かったですね。」

「あと、鳥取はどの町にもそれぞれ素晴らしいコミュニティがあります。子どもも大人も五感を使って季節を感じられる場所です。豊かな恵みあふれる場所。広い空の下、のびのび走り回れて身体中に心地よい風が吹き抜ける場所。」

いつも元気な声と笑い声が行き交う開放されたキッチン

「東京でカフェをしたから今があると思ってます。東京にも鳥取にも良さがあって、どっちも知っておくことが大事かなと。自然豊かな中でのびのび育った記憶やここで暮らした記憶があるから、私は戻ってきました。そういう人が増えたらいいな。子どもの頃の記憶があると帰ってきたらあんなことができるな、こんなことができるなと思える。そういう場所になることが大事だし、そこで楽しく働いている大人がいるっていうことが大切だと思います。」

「都会の方が良いよとか頭が良くないとダメとか実家の農業継ぐなんて大変だからやめた方がいいとか、地元にいる大人からのすり込みや思い込みが多いと自由に生きれなくなる。自分が自分らしくいられる場所さえあれば、どこでもみんな花開くと思いますよ。」

移住を検討している方へメッセージ

看板犬ジョージ(中村さん提供)

「一回は行ってみて体験してみた方がいい。成功や失敗はないし、その地域が合うか合わないかだけ。合わなくても別に何とも思わないことが大事。心が動いたらやってみたらいい。そこでの暮らしをできる範囲でやってみて、そこからまた次に進めばいい。こうであるべきとか決めつけると移住が重たいものになってしまうから、今できる良い選択をしよう!楽しいことをしよう!と思って、常に選択ができる環境を作っておいたらいいんじゃないかな。」

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