嘘の“がん”闘病、後援金で豪遊…33歳で亡くなり、遺体の引き取り手も現れなかった韓国歌手の1周忌

歌手のチェ・ソンボンさんがこの世を去って1年が経った。

チェ・ソンボンさんは2023年6月20日、ソウル江南区・駅三洞(カンナムグ・ヨクサムドン)の自宅で亡くなった状態で発見された。享年33歳。

彼は亡くなる前日、自身のYouTubeチャンネルのコミュニティで、「私の愚かな誤りで被害を受けた方々に心より申し訳なく、繰り返し過ちを犯しました。この2年余りの間、後援金の返還を問い合わせて下さった、すべての方々に返還しました。これからは命で罪の償いをしようとしている」とし、「振り返ってみれば、それなりに幼い頃から一日を十年のように最善を尽くし、平凡な人生を楽しもうと努力したが、結局のところ私は駄目でしたね」などと伝えていた。

この文が公開され、通報を受けた警察が出動したものの、すでに手遅れだった。

嘘の“がん闘病”騒動

(写真提供=BONGBONGカンパニー)チェ・ソンボンさん

1990年2月18日生まれのチェ・ソンボンさんは、2011年の『コリア・ゴッド・タレント』(tvN)で準優勝し、歌手としてデビュー。その後、「韓国のポール・ボッツ」と呼ばれ活動した。

しかし2020年5月、大腸がんや前立腺がん、甲状腺低下症および甲状腺がんなどの診断を受けたと告白。多くの人々から心配の声があがり、クラウドファンディングで後援金が集まっていた。

だが、2021年にがん闘病が嘘だったという疑惑が浮上。彼が最初に提起した診断書の真偽はもちろん、遊興費だけで3000万ウォン(約300万円)以上を使うなど、がん闘病のための後援金を使い果たしたという疑惑が提起されたのだ。

チェ・ソンボンさんは何度も反論したが、最終的には「物議をかもして申し訳ない」と謝罪。「大切な後援金を返してほしいという会員様には当然お返しします。何とかして後援金を返還して立ち去る」と述べていた。

その後、彼は後援金を返還するために飲食店でアルバイトに励んでいた。

捜査と解剖の結果、警察は他殺の疑いはないと判断。ただ、遺体を引き渡す遺族が現れず、ソウルの病院の葬儀場の冷凍庫に安置され、元マネージャーの側近が自費で葬儀を行うこととなった。

“韓国のポール・ポッツ”と呼ばれ、多くの人々の応援を受けたが、偽りのがん闘病騒動で残念な選択をし、苦々しさを残した。

(記事提供=OSEN)

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