ロッテ・佐々木朗希「5カ年育成計画」最終年 2度目の離脱から見えてきた令和の怪物の現在地

 復帰が待たれる佐々木

 ロッテ・佐々木朗希投手(22)が13日に右上肢のコンディショニング不良のため出場選手登録を抹消された。5月28日にも上半身の疲労回復遅れのため抹消されており、今季2度目の離脱となった。吉井理人監督(59)は23日・ソフトバンク戦での最短復帰はないと明かした。令和の怪物の現在地はどこに-。

 今季2度目の戦線離脱となった。5月28日に上半身の疲労回復遅れのため出場選手登録を抹消。6月8日の広島戦で復帰登板し、6回3安打1失点(自責0)で5勝目を挙げたものの、13日に右上肢のコンディション不良で再び離脱となった。

 吉井監督は19日の全体練習後、右腕の復帰時期について「前回も2週間空けて投げて、同じ状態だった。また2週間空けて、投げられないことはないと思うんですけど、それだと彼のパフォーマンスも上がってこない」とし、23日・ソフトバンク戦での最短復帰はないと明かした。

 「5カ年育成計画」の最終年。開幕から先発ローテを守り、初の規定投球回到達を目指すというプランだが、順風満帆とは言えない前半戦を過ごしている。

 1度目の離脱は、今季8試合目の登板となった5月24日のソフトバンク戦後だった。7回5安打1失点で4勝目を挙げた後、トレーナーから「回復が遅れている」との報告を受け、首脳陣が抹消を決定したという。小野投手コーチは「中6日でずっと回ってきていた。どこかで空けてあげないといけない時期っていうのもあった」と説明。佐々木は「投げるつもりだった」と言ったが、無理させずに2週間の間隔を設けた。

 8日の広島戦で復帰し、90球を投げて6回3安打1失点。順調に回復していると見られていたが、またしても離脱となった。佐々木は小野コーチに「思ったより回復していなかった」と伝え、今回は本人の感覚を踏まえて抹消を決めた。

 小野コーチは「彼の場合は出力があったり、体も出来上がっていないところもある。総合的に判断して、もう一回様子を見ようと」と説明。今季の最速は抑え気味ながら162キロ。豪球を投げ続けるには強固な肉体が必要だが、まだ完全体にたどり着けていないようだ。

 登板するたび、複数のメジャースカウトが視察に訪れる注目の的。「1回投げてまたダメというのが一番良くない。しっかり投げられる状態で戻ってきてほしい」と小野コーチ。“令和の怪物”と呼ばれるが、今はまだ強靱(きょうじん)な体を作り上げる過程にいる。(デイリースポーツ・南香穂)

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