品川区“全国初”AIを活用し予算編成 所得制限なしで子育て世帯に米を配布へ

東京・品川区が補正予算案を発表し、東京都内で初めてとなる小中学生がいる子育て世帯に所得制限なしで米を配布する方針を示しました。また、今回の予算編成には全国で初めてAIが活用されています。

品川区の2024年度の補正予算案は総額約7億4000万円で、子育て世帯に所得制限なしで小中学生1人に付き米2キロを配布する施策に約800万円を計上しました。品川区は2023年度から区立学校の給食費を無償化していますが、学校給食がない夏休み期間中にも子どもの「食の支援」を切れ目なく実施したい考えです。会見で品川区の森澤区長は「給食がないというところでご飯を食べる機会が少なくなってしまう子どもがいる現状がある。物価高騰でさらにその危機感が高まっている中、ご飯を食べてほしい」と述べました。

また、今回の予算編成には全国で初めて、生成AIが活用されています。区は、去年行った全区民へのアンケートで集まった約10万人の意見を「チャットGPT」で分析し、課題や要望などを抽出した上でそれらに応じた政策を盛り込んだ補正予算案を策定したということです。補正予算案は今後、6月27日に開会する区議会で審議される予定です。

<全国初 生成AIを活用した予算編成>

品川区は全国で初めての試みとなる「生成AIを活用した予算編成」を行います。

品川区は2024年度の補正予算案を策定するに当たり、去年8月に全区民を対象に行ったアンケートで約10万人から集まった意見、文字数にして650万字相当を「チャットGPT」で分析しました。かかった時間は約1時間半で、作業の効率化を実現し、人の主観や先入観を排除したAIの分析により客観性を確保できたということです。

具体的に、どのように政策に反映されたのか見てみると「日々の生活に直結する直接的な食などの支援」という要望に対し、子育て世帯を対象とした所得制限なしでの米の配布を行うこととなりました。また「災害時の衛生・プライバシー環境の改善」という声があったため、防災対策として「仮設トイレを備えた車両」、いわゆる「トイレトラック」の導入を補正予算案に盛り込みました。

品川区は今後も生成AIを活用した分析を続け、予算編成や施策立案に生かしていきたいということです。

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