【さきたま杯】レモンポップが早め先頭から押し切りV 坂井瑠星騎手「負けないと思っていました」

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

坂井瑠星騎手とのコンビでGⅠ級4勝目

ダート1400mで争われたさきたま杯は今年からJpnⅠに昇格し、上半期の古馬短距離路線の王者を決める一戦となった。その位置付けに相応しく、JRAからは昨年の最優秀ダート馬レモンポップ、地方勢では昨年の年度代表馬と最優秀短距離馬に輝いた兵庫のイグナイターをはじめとしたトップホースが集結。平日の日中にも関わらず浦和競馬場の来場者10,000人の前で、レモンポップがその強さを見せつけた。

前日の火曜日は大雨の影響で6R以降が取り止めになったが、レース当日は天候も回復して重馬場での開催となった。600m通過34.8(11.9-11.4-11.5)と速いラップを刻んだアランバローズにはハナを譲ったものの、スタートを決めたレモンポップ鞍上の坂井瑠星騎手は内のライバルたちに目線を送りつつ2番手を追走した。

3角手前で早くも先頭に立ち、4角では外からイグナイターも必死に追い上げてきた。流石に前半から飛ばしたぶんラスト1Fは14.6とかかったが、最後まで差を詰めさせず2馬身差でゴール。勝ちタイムは1:26.7。前走のサウジCで12着と大敗して以来の実戦だったが、1番人気に応える見事な勝利でGⅠ級競走4勝目をあげた。

坂井騎手が騎乗するようになって国内のレースでは4戦4勝。坂井騎手は「日本ではまだ底を見せていないですし、日本では(坂井騎手がレモンポップ騎乗時に)負けたことがなかったので負けないと思っていました。小回りの1400mも無事にこなしてくれました」と語った。コース形態、距離を問わず強さを見せるレモンポップの天下はまだまだ続きそうだ。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

イグナイターは地力示すも2着まで

2着となった昨年の覇者イグナイターも、前走ドバイゴールデンシャヒーン5着以来となる帰国初戦。スタートではやや出遅れる場面があり、すぐに巻き返すも2角でわずかにポジションを下げる形となり、4番手から2馬身半ほど離れた5番手からのレースになった。さきたま杯連覇とはならなかったが、3角で自ら動いてレモンポップを捉えにいった内容からも力は示した。海外遠征を経験し、さらに地力をつけていると言えるだろう。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

イグナイターから半馬身遅れの3着に入ったのはシャマル。黒船賞、かしわ記念と連勝し、完全復調を印象付けて挑んだ一戦だった。序盤はレモンポップの1列後ろのインを追走、4角ではイグナイターに手応えで劣っていたようにも映ったが、最後までしぶとさを見せた。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。



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