自宅焼失の町民「あっという間に燃え広がった」  周辺住民、恐怖隠せず 青森・大鰐町の火災

 19日午後、JR大鰐温泉駅に近い住宅街で発生した火災。付近住民は火の勢いと延焼の早さに驚き、恐怖を隠しきれずにいた。自宅を焼失し避難所に身を寄せた町民は、今後の生活に不安を募らせた。

 製材所の近くに住む男性会社員(69)は午後1時ごろ、消防車のけたたましいサイレン音で火災に気付いた。「炎の勢いがものすごかった。周辺は木造住宅が多く、どこまで広がるのかと不安を感じた」と険しい表情を見せた。70代男性は「ガスボンベの爆発音らしき音が聞こえた。製材所から高い火柱が上がっていて、現場周辺から数十メートル離れた地点でも熱かった」と振り返った。

 大鰐町は午後4時過ぎ、町総合福祉センターに避難所を開設した。避難所へ身を寄せた町民は最大で、同センターに7人、福祉避難所となっている高齢者施設「大鰐ホーム」に1人の計8人。午後9時時点では同センターに2人が滞在し、町から毛布や弁当を受け取った。

 自宅が全焼したという1人暮らしの70代女性は「あっという間に家に燃え広がった。携帯電話も財布も持たず、着のみ着のまま逃げてきた。役場の支援はありがたいが、今後どうなるか分からない。弘前にいる娘の元に身を寄せるかもしれない」と話した。

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