パリ五輪代表争いもフィナーレ 三者三様の意気込み、古江彩佳は「一番大事な試合」

五輪争いが佳境!(左から古江彩佳、畑岡奈紗、山下美夢有)(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前情報◇19日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

「パリ五輪」ゴルフ競技の代表争いも、いよいよフィナーレを迎える。今大会終了後に更新される世界ランキングに基づいた五輪ランキングで決定。世界ランキング6位で日本勢1番手につけている笹生優花は“当確”。2枠目を古江彩佳、畑岡奈紗、山下美夢有の3人で争う。

世界ランキングはそれぞれ古江20位、畑岡21位、山下22位と“団子状態”の接戦になっている。古江と山下の差はわずか0.13ポイント。メジャー大会で獲得できるポイントは大きいため、一発逆転の可能性ももちろんある。ちなみに、同トップ15に入れば、各国から最大4人が出場できる。

わずかにリードしている古江は、今年初めから五輪出場への思いを常に口にしてきた。「メジャーなのと、オリンピック(代表決定)前最後の試合で、一番大事な試合」とラストマッチに気合を込める。

一歩リードしているとはいえ、「ほぼ変わりがないポイント差なので、上にいるっていう感覚もない」と気が抜けないのは事実だ。同じフィールドには競争相手がいて、スコアやプレーも気になってしまうところ。「意識しない、って言ってもたぶん入ってくる。うまく自分に集中できたらいいようになってくると思う」と、あくまで上位を目指すことに集中する。

前戦のミシガンで4日間を戦い、月曜日からハーフ、プロアマ、18ホールと2.5ラウンドを回った。「コース自体が難しいので、足りているかなっていう感じはいつも以上に思う」と話しながらも、しっかりとコースに“慣れる”ための準備は進めてきた。「この大会の緊張感というよりは、コースに対しての緊張感のほうがあるかもしれない」。目の前の一打にフォーカスしていく。

3番手につけている畑岡は、あくまでも“悲願達成”に照準を当てている。「せっかくメジャーに来てるのに、オリンピックのこと意識してやっても、とは思う。(代表者決定は)この3年くらい積み重ねてきたもの。KPMGにしっかり集中したい」。メジャー初制覇の先に、パリへの道も見えてくる。

逆転を目指す山下は、日本ツアー「ニチレイレディス」からの連戦となる。日曜日のうちに移動して、月曜日からコースを確認。ドライビングレンジでは、日本にいる“出勤前”の父とのビデオ通話でスイングを確認する姿があった。「ここ最近はショットの調子が良くなかったけど、直すきっかけが少し見つかったかなと思う。そこは自信になったかな。コースマネジメントは自分次第なので、そこはしっかりやっていきたい」と気を引き締める。

パリロードについても、「行けたらいいなと思うけど、目標としているメジャーで上位で戦いたいという気持ちがあるので、戦えるように頑張りたい」と、五輪はあくまでメジャー好成績の“結果”としてついてくるものととらえている。「シェブロン選手権」は17位で、「全米女子オープン」は12位。今回はさらに上の、優勝争いに加わりたい。

三者三様のパリへの意気込み。およそ3年間に及ぶ代表争いは、果たして、どのような結末を迎えるだろうか。(文・笠井あかり)

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