【特集】世界遺産10年 富岡製糸場で特別な体験を

シリーズでお送りしている世界遺産特集。2日目の今回は富岡製糸場の入場者数を増やす取り組みについてです。

「6月2日、日曜日の富岡製糸場前です。雨ですが人が続々と入っていきます。10年前の登録直前の大型連休はこんな感じでした。」(小此木アナウンサー)

「大型連休、多くの人が行列をつくっています。最後尾からは1時間半並ぶということです。」(三隅アナウンサー)

富岡製糸場の入場者数の推移です。

世界遺産に登録された2014年度は133万7720人でした。しかし、新型コロナによる緊急事態宣言が発令された2020年度は、61日間の休館を余儀なくされ17万7419人と大幅に減少しました。新型コロナが5類に移行した昨年度は36万7466人となり、回復傾向にあります。

「(富岡製糸場を訪れるのは)初めてです。なんかすごいなって、歴史を感じるなと思って、びっくりしています。」(東京からの来場者)

「初めて来ました。規模がすごく大きいので昔の遺産がこれだけ残っているということは感動しました。」(神戸からの来場者)

「(訪れるのは)初めてです。レンガのビルがかっこいいと思いました。海外にもいっぱいありますが、時代を感じますね。」(アメリカ出身の来場者)

より製糸場の世界観を楽しんでもらおうと富岡市観光協会では、外国人も含めた観光客向けに様々な企画を行っています。

「人気の体験のひとつが、こちらの工女姿でのまち歩きです。なんと、史実に沿って制作した当時の作業服を再現している衣装となっていて、幅広い世代に人気の体験ということです。」(小此木アナウンサー)

ターゲットは本物志向の外国人。設立当時の作業服を再現し、袴の生地には昭和初期に途絶えた小倉織を使い、高い技術を持った「一等工女」の証である赤いたすきを着けるなど細部までこだわっています。

「当時の衣装を再現するためにいろいろしました。そのうちのひとつが小倉織。復刻版です。歩きづらいこともありますが、それも当時の工女が体験したこと。想いを馳せてもらいたい。」(富岡市観光協会・新井良一 専務理事)

富岡市ではより製糸場への理解を深めてもらおうと、外国人観光客向けにこんな取り組みも行っています。

「オーディオガイドが5ヵ国語に対応しています。日本語はもちろん、英語、中国語、韓国語とフランス語があります。場内を回りやすくするために、看板には英語の表記が書いてあります。また、YouTubeなどで情報発信も行っています。」(富岡市富岡製糸場課・ヴェロニック・ムーランさん)

世界遺産登録10年の節目を迎えた富岡製糸場。キーワードは「ここでしかできない体験を・・・」世界から選ばれる観光地を目指し地域の取り組みはつづきます。

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