EC+AIが新たな動向に、ショッピングイベント「618」でもAIが大活躍―中国

「EC+AI」が避けられない流れとなっており、今年のショッピングイベント「618」でもそれが特に際立っていた。資料写真。

人工知能(AI)を活用して「全プラットフォームで自動で同じ商品の最安値を検索し、定価を調整」したり、ワンタップで商品の宣伝画像を生成したり、ホットな話題を検索して数秒で広告文を作成したりと、専門家の分析によると、「EC+AI」が避けられない流れとなっており、今年のショッピングイベント「618」でもそれが特に際立っていた。

ショッピングサイト・淘宝に出店している何挺さん(仮名)は、「618になると、プラットフォームが発表するルールに基づいて、事前にポスターを作成したり、店舗のイベントの各プロセスを確定した上、予算を分配したりしなければならない。以前なら、自分でできないことは代理業者にしてもらっていたので、その費用は数千元から数万元もしていた。でも今年は、複雑な作業は全てAIがしてくれた」と話す。

各ショップの運営に関係する悩みについて、京東の関係者は、「今年の618はAI生成コンテンツプラットフォーム・京点点を通して、各ショップが一瞬で商品の説明やセールスポイントが記された広告用画像などを生成することができるほか、広告文まで作成できるようになっている」と説明する。

ショート動画プラットフォーム・快手が手掛けるECプラットフォームでも「委託管理モード」が打ち出されている。AIを利用すると、委託管理事業者に商品や仕入れ値などを伝えておけば、その後の運営は全て任せることができる。別のECプラットフォームは、AIツールを活用すると、ホットな話題をリアルタイムで探し、クリエーティブな広告文を作成でき、各ショップは優秀な「デジタルスタッフ」を人件費0で「雇う」ことができるため、費用0で運営コストを大幅に削減することができる。

取材では、数秒でショップを開設し、文字の入力のみで画像もしくは動画を生成できるというのが、ほぼ全ての大手ECプラットフォームの「3本の矢」となっており、ショップ開設やマーケティングが簡素化されている。このように予想を超える形で、AIGCがECの分野に完全に溶け込んでいるのだ。ネットユーザーらは「オンラインショップを開設するのがどんどん簡単になる」と喜んでいる。

このような現象について、中国のシンクタンク・太和智庫の研究院で、ニューメディアマーケティング専門家の唐興通氏は、「EC+AIは必然的な流れで、避けることはできない。一部の大手ECプラットフォームはもともと最先端のテクノロジーを駆使していた。そのため、こうしたプラットフォームが先頭を切ってAIを活用しても不思議なことでない。今後、活用するプラットフォームはどんどん多くなり、普及していくだろう」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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