チョープロが宅地販売 長崎・戸石、69区画全て平屋建て ガスと電気「賢く使い分け」

橘湾に面し、平屋が並ぶ「Calmといし」=中央付近=の完成イメージ図(チョープロ提供)

 液化石油ガス(LPG)販売地場最大手チョープロ(長崎県西彼長与町)が宅地販売に乗り出した。橘湾に面した長崎市戸石町で全69区画を分譲。全て平屋建てとし、これまで「kuriya」ブランドで培ったリノベーションや注文住宅のノウハウを生かす。脱炭素社会を見据えた「ガスと電気のベストミックス」を掲げ、最新機器で快適さや災害への備えを追求。穏やかな環境で新しい住まい方を提案する。
 団地の名称は「Calmといし」。カームは英語で「穏やかな」を意味する。開発総面積は約2万2千平方メートル。もともとサッカーのV・ファーレン長崎の練習場だった。海岸沿いに公園も整備する。
 約30種類の間取りプランは全て木造平屋だ。担当者によると、熊本地震で耐震基準を満たす新築2階建てが倒壊し、間取りを広くするため柱の間隔を開けたのが原因と分析された。家族のコミュニケーションやバリアフリーの観点からも平屋が見直されている。同社は和室を省くことで平屋でも一定スペースを確保。日当たりや景観にも配慮した街並みにする。

キッチンを中心にゆとりのあるLDK。電気とガスをバランスよく取り入れ、スマートホームも活用し快適に暮らせる=長与町のモデルハウス

 太陽光発電パネルや蓄電池、電気自動車(EV)充電器、ガスと電気のハイブリッド給湯器、ガス衣類乾燥機、ガス温水式床暖房などを標準装備する。現代はオール電化が主流だが、ガスは火力が強く、災害時の復旧が早い。電気とガスの特徴を踏まえ「賢く使い分けられる」(担当者)。
 ガスは「カーボンニュートラルLPG」を採用。採掘から燃焼までの工程で発生する二酸化炭素(CO2)を、植林などで伴う吸収量と取引して埋め合わせ、排出量を実質ゼロとする。
 アプリで各機器をまとめて管理・操作する「スマートホーム」機能も導入。子どもや高齢者を残して外出した際は、室内見守りカメラを通じて双方向でやりとりできる。
 来年夏に宅地造成完了を予定し、現在は第1期16区画を分譲中。土地建物の総額は4千万円前後(諸費用別途)となる見込み。6月、長与町高田南に3LDKのモデルハウスをオープンした。

© 株式会社長崎新聞社