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島根大生物資源科学部の広橋教貴教授が16日、鳥取市内で「日本海のイカ類と繁殖生態」と題して講演した。ヤリイカの雄は大型と小型の個体がおり、雌を取り合う争いで不利な小型の雄は、大型の雄の精子より大きくて強い精子を作るという研究成果を説き、生命の神秘にいざなった。
講演によると、ヤリイカの雄の95%は大型で、5%が小型。大型雄同士が争い、勝った大型雄が雌とペアになり輸卵管開口部に精子を送り込むが、その時に小型雄が割り込んできて雌の口部貯精嚢(こうぶちょせいのう)に精子を置いていく。
小型雄の精子は、運動器官であるべん毛が長くて大型雄の精子の1.5倍程度の大きさになり、受精では有利に働く。ケンサキイカやアオリイカも、小型の個体の雄は精子のべん毛が長いという。
深海にすむダイオウイカの雄が交尾の時に精子と一緒に謎の細胞を出すとの研究にも触れた。謎の細胞は脂肪が含まれ「精子が移動するためのエネルギー供給源になっているのではないか」との見方を示した。
講演は15、16日に市内で開かれた日本動物分類学会第59回大会の一環。約100人が聴いた。